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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第五章 ミクロな世界の覚醒

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Code.4 (5)

世界(やまとりさとよ)が…予約投稿を…忘れて…



薄らいだ意識が呼び覚まされる。


僕、グレイ・カートマンは、木に一人横たわっていた。


えっと…僕は何を…?


確か…僕はカリエちゃんの教育係をギルド役員の人に押し付けられて、ブロンズの依頼をカリエちゃんとこなしてたところで真っ白い狼と出くわして…。


それで…。


…。


瞬間。頭の中が真っ白になった。


お腹の下あたりがいいしれない不快感に占領され、体の芯が透き通るように一気に冷えた。


目の前が真っ暗になる。


白狼に殴られた瞬間の記憶が鮮明に浮かび上がる。


痛くて、辛くて、苦しい。


それで…僕は…僕は殺された?


体を見る。


特になんの傷もない見慣れた貧弱そうな体。

土で汚れてること以外特に変化のない靴。

そして、ざっくり裂けた皮の胸部装甲(チェストアーマー)


なのに、なのになんで僕の体は治ってる?


腕を動かしてみても体を捻ってみても一つも痛いところがない。


極めて健康的。


思わず頭をかかえる。


…ん?


視界の端に映った髪の毛は、真っ白に染まっていた。


「…って、うお!髪の毛が真っ白になってる!?…ストレス!?…え、禿げる?」


思わず叫び声が漏れる。


え?これマジで禿げないよね?


ハァ…。


訳がわからない。


訳がわからない…けど…!


唐突に、一つの最悪な想像が頭をよぎる。


カリエちゃんが危ない。



…。



森の景色が尋常じゃない速度で後ろに流れていく。


足下の地面が足をついた瞬間からひび割れ、轟音を鳴らしながら土煙であたりを埋め尽くしていく。


異様なほどに体が軽い。


…いや!軽すぎるでしょ!


え??


かつてないほどに軽く動く僕の体に困惑が隠せない。


だけど、事実として体は僕の意思通り、いやそれ以上の動きで森の中を巧みにかけていく。


今僕は、白狼が作ったと思われる獣道を追いかけていた。


僕が白狼に倒された後、僕の言った通りカリエちゃんは白狼からちゃんと逃げ出したようだ。


瞬殺されたせいで足止めも何もあった気がしなかったけど、倒された後の僕の体で白狼を若干引き止められたみたいだ。


その間の時間稼ぎでカリエちゃんが逃げられてるといいけど…。


唐突に視界が開ける。


獣道が途切れた。


その先、幾つもの木が倒され、広場になった森の中に、白狼とカリエちゃん、そして数人の騎士がカリエちゃんを取り囲むように白狼と相対していた。


どうやらカリエちゃんを守っていた騎士は一人だけじゃなかったみたいだ。


ひとまずホッと息をつく。


僕は速度を落とさぬままカリエちゃんの元に向かった。


「カリエちゃん!」


「…ッ…カートマンさん!」


僕を見つけたカリエちゃんが驚いたように叫ぶ。


同時に、騎士達も僕の方を向いた。


「君は!」

「カリエ様についていたブロンズ冒険者か!」


「はI…


僕が返事をするより早く、白狼が騎士の意識がそれた一瞬を狙って大きく爪を騎士の一人に振り下ろした。


危ない!!


そう思った時には、すでに体が動き出していた。


{「思{「物理{「変異L{「触手超{「土魔法Lv.10」が発動しました。}}}}}


世界が一瞬でスローモーションになり、全ての音が間伸びする。


恐怖に見開く騎士の目、荒い息を吐く白狼の口、萎縮して真っ青になるカリエちゃんの顔。


その全てを知覚できた。


足が地面を蹴り、蹴ったところが消し飛ぶより先に、体が前に飛び出す。


体を空中で地面と並行にさせ、空気抵抗を減らしながら一気に突っ込む。


白狼に到達する寸前、体を捻り、足を開脚して白狼の今にも振り下ろされそうな腕を全力で蹴り上げた。


轟音が鳴る。


衝撃波が天高く走り、軸足が踏みつけた地面が放射状にひび割れる。


蹴り上げた先の白狼の前足は、綺麗に円状に消し飛んでいた。


{「思{「物理{「変異L{「触手超{「土魔法Lv.10」を解除しました。}}}}}


瞬間、世界は元に戻った。


さっきまで僕がいた場所が爆発する。


消し飛んだ白狼の血と肉片が辺りに降り注ぐ。



アオオオアアアアアアアアアオアアアア!!!!



絶叫した白狼が、踵を返して森に逃げ帰っていった。


その場に、ポカンと口を開けた騎士団と、泡吹いて倒れたカリエちゃんと、蹴り上げた姿勢で固まっている僕だけが残された。


「「は?」」


騎士達の声が重なる。

今にも潰されそうだった騎士も、呆けた表情で固まっていた。


だけど、この状況に一番驚いているのは僕だった。


「…ん?????」

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