表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第一章 ミクロな世界のバクテリア

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/550

26 おい運営このクソやろう


ググググググググギギギ…ッッ



突然、さっきまで何の動きもなかったクマムシが体を震えさせ始めた。


なんだなんだ?



グググググググググググググギャッ…。



そしてクマムシの手から生えてきた何かが私に向かってすさまじいスピードで振り下ろされた。


!?

触手推進フルスロットルで大きく右に回り込む。


はあ。

やっぱり、使ってきましたか。


そのあまりに理不尽な光景に思わずため息が口を継いで吐き出される。


これはつまり私の危惧が最悪の形で表れてきたってところかな?


回り込んだ先で見たクマムシの足は、いつものような丸みのある形ではなく、凶悪な紫い色をした鋭い刃が生えてきていた。


…。


これで他種族の固有スキルでも獲得しちゃえばそれを使いこなせるようになるってことが分かってしまった。


おい運営このクソやろう。



グォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオ!



周りを飛び回る細菌に苛ついたのか、鼓膜が破れるかのようなクマムシの咆哮が、突然に鳴り響く。


…今しかないな。


死角待機部隊!毒刺を敵の背中か頭に突き刺して行動阻害!

触手推進フルスロットルで反対側に引っ張って!


酷く原始的な方法だとは思うけど、これで奴の攻撃は止められずとも鈍くさせることができる。


幸いステータスでは勝ち目ゼロだけど、スキルの「物理攻撃耐性」は「物理攻撃」よりも低い。


だからクマムシに攻撃をして、攻撃ダメージは軽減されるにせよ、攻撃事態が防がれることはたぶんないはず。


さっきからさすがにヤバいと感じたのかクマムシが刃を振りまくって分体を叩き落してるけどやっぱり数の暴力のおかげで何体かはクマムシに無傷でたどり着けている。


{分体に熟練度が一定に達しました。スキル「物理攻撃耐性lv.3」を獲得しました。}


ん?

ああスキルか。


「物理攻撃耐性」…ね。


クマムシも獲得とかしちゃってないよね?


推測だけど、あのクマムシは私の分体である3号だった可能性が高い。


それでもし私と3号との間にクローンとオリジナルの関係がまだ生きているんだったら最悪私の獲得したスキルまでクマムシに吸われる可能性だってある。


…というわけでちょっと鑑定。


うん。

大丈夫っぽい。

奴の獲得したスキルが私にも還元されないように、私の獲得したスキルも奴に吸われることってのはないようだ。


ってことは仮にあれが3号だとしても、私と3号の間にあったクローンとオリジナルの関係はもう完全に死んでるていう可能性が高い。



ウアアアアアアアア…。



ん?

唐突にクマムシが体の動きを止めて叫び声をあげた。


なにを…?

ま、攻撃の手を緩める気はない。

分体達にはずんずん進んでもらって攻撃を続けてもらおう。


私はもちろん一時撤退。


命大事に。


え?

クソ鬼畜?


誰のことかなー?


誰のこと言ってるのか全く分からないなー。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ