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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第五章 ミクロな世界の覚醒

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Code.1 (11)


整った顔立ち。

年齢は体型からして多分俺と同じ6歳前後。

水色のロングヘアーは今や振り乱されている。

その小さな体躯を包む金色の刺繍の施された制服で、一見して魔法学校の生徒であることが察せる。

今にも折れてしまいそうな細い腕で構えた剣は少女の恐怖でかぼそく震える。

囲まれた少女は顔を苦痛と焦燥に歪め、涙でその頬を濡らしていた。


その少女を囲む三人の男はこちらに気付く様子もなく、薄ら笑いを浮かべてその手に持った短剣を少女に向けている。


三人とも筋骨隆々。

左から、スキンヘッド、角刈り、耳ピアス。

そこらのチンピラにしては若干鍛えていることを表すかのように、踏み込んだ足には岩を彷彿とさせるような筋肉が浮かび上がっている。


…状況はこっちが有利。

相手に気付かれていない以上、奇襲及び先制攻撃の成功確率は今が一番高い。


鍛えられてるように見えるとはいえ、威圧感は訓練時の父親や母親のそれとは隔絶して小さい。


少女一人と男三人が敵対関係にあるのなら、大体の場合において少女側が味方だ。


戦った後のことなんて考える暇はない。


最大打点を叩き出せるのは今だけだ。


近くにあった石を拾い上げ、三人組のうち一人の頭に投げつける。


投げつける寸前、土魔法で速度を加速、物理攻撃スキルでさらに筋力を上げ、破壊力を今出せる限界まで注ぎ込む。


投げた石は野球投手の放つボール並みの加速を見せ、鈍い音を立てて角刈りの頭に命中した。


角刈りがうめき声をあげ、頭を抱え込む。


三人組がこちらに気づくより早く、俺は上に跳躍した。



…………………………………………………………………



Feat エイ


恐怖で身がすくんでいた。


昔から天才と称され、持て囃され誉められてきたエイにとって、それは初めての経験だった。


剣術の師匠はエイの剣術はとても見所があると言ってくれた。


召使いたちは、エイに流れるような剣捌きには何物もきっと敵わないと言ってくれた。


両親は、エイはきっと将来優秀な魔法騎士になれると言ってくれた。


だが、現実はどうだ。


入学の準備を終え、若干居心地の悪い召使いたちに囲まれた寮から抜け出し、一人帝都を散策した結果がこれか。


エイの剣術は男たちには全く歯が立たなかった。


型通りに振った刃はあっさり返され、そのまま腹を蹴り飛ばされた。


打ち付けられた先の背中の痛みも、腹部の鈍痛も、手の痺れも、何もかもがエイにとって未知の感覚だった。


涙が滲む。


怖い。

苦しい。

恐ろしい。


ニヤニヤその恐怖の笑みを凶悪な顔面に貼り付けて、自身の何倍もの体躯の男たちがジリジリ攻め寄ってくる。


「嬢ちゃんヨォ…別に乱暴しようってんじゃねぇんだ…ただちょっと金を貸してくれればいいんだよ…。」


下卑た笑いを浮かべながら角刈りの男が言う。


…何を言っているのだ。


エイは困惑した。


乱暴しないと言うのなら、数秒前自分に入れた脚はなんだったのか。


それに金は、今エイのポケットに入っている金は、家を出る時祖母がこっそりくれたお小遣いだ。


ー帝都には美味しいものがたくさんあるからねぇ


そう言ってくれた祖母の笑みは慈愛に満ちていた。


それを、その優しさを踏み躙るわけにはいかない。


地面に落ちた剣を拾い上げ、構える。


恐怖で身が震える。


焦りが心臓を激しく鳴らす。


「あ?なんだやる気か…?」


スキンヘッドの男が威嚇する。


その威圧感に、思わず短い悲鳴が口から漏れる。


その声を聞きつけた耳ピアスの男が下卑た笑みを一層深める。


あまりの恐怖に、目を固く瞑った。


次の瞬間。



バコーンッ!!!



凄まじい音と共に、角刈りの男の頭が弾けた。


いや、違う、石を投げつけられたのか。


その証拠に、角刈りは頭を抱えただけでまだ生きている。


状況が把握できていない三人組。


だが、角刈りが頭を抱えしゃがみ込んだ先、路地に通じる道の先で、エイと同じ背丈くらいの影が上に跳躍したのが見えた。


凄まじく身軽な動き。


影はそのまま路地の両壁を蹴り、一気にこちらに接近すると、たちまち剣光を輝かせ、ピアスの肩を切り裂いた。


大きく絶叫するピアス。


慌てて戦闘態勢に入ったスキンヘッドに対し、影は地面に手をつき、何かを唱えた。


瞬間、スキンヘッドの足元の地面が盛り上がり、それを覆い尽くす。


身動きが取れなくなったスキンヘッドに、影は飛び蹴りをかまし、その勢いのまま空中で身を反転させ踵落としをくらわせた。


意識を失ったのか、項垂れるスキンヘッド。


あっという間に三人を制圧した影は、ゆっくりとエイの方に向かってくる。


「ええっと…大丈夫か?俺はユーリーン。今年アドヴァンヴァル魔法学校に入る予定の一年生なんだけど…同級生だよね?」


そして、人懐っこい笑顔を浮かべながら自己紹介をしてきた。


「え?あっ…ひゃい…一年生の…エイですぅ…」


さっきの剣技といまのそのギャップの衝撃に思わず噛みまくるエイ。


その頬は、茹でたタコのように真っ赤に染まっていた。


山:テスト終わったぜhooooooooo


ア:お疲れ様でした。


山:今回はマジでやばかったですよ。


ア:山鳥さんのテストがやばいなんていつも通りじゃないですか。


山:いや今回はマジでやばかったんだって。


ア:何がですか。


山:私諸事象により四日あるテスト週間のうち最初の二日間が受けられなくて、それで受けられなかった分を残りの二日間でやったんですよ。


ア:ああ…


山:一日6教科。前11教科。殺す気ですかと。


ア:それはそれは…


山:数1と数2と世界史コミュ英、科学と物理と地理がいっぺんに襲ってきた時はマジで死ぬかと思いましたね。


ア:ご愁傷様です。


山:と、言うわけで、まーた投稿サボったのは許してつかぁさい。


ア:んー…ギリ許しましょう。


山:さすがアカツキさん!太っ腹ぁ!


ア:投稿できなかった分、今日からまた投稿するんですよね!


山:え?


ア:え?


山:いや、僕今から修学旅k…


ア:やるんですよね!


山:あっ…はい…。

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