230 死後の呪い(被術者)
とりあえず岩影まで退避した。
背後から聞こえてくる咆哮には耳を塞ぎつつ、ばっくり裂けた腹を高速分裂で再生させ、HP回復ポーションとHP自動回復でステータスも元に戻す。
だークソ。
さっきのコンボでガッツリHP八割くらい持ってかれたかんなー。
ナチュラルに痛いし痛いし痛い。
只、戦略的撤退を余儀なくされたとはいえ、あの鰐猿の討伐を諦めたわけじゃない。
プライドが傷つけられたーとかでもなんでもなくね。
そこにはちゃんと合理的な理由がある。
最近ずっと言ってることだけど、SPの枯渇は現実問題致命的だし、初手エンカウントした魔物にボコられていつまでも無限に逃げ続けてたらどっかで必ずガタがくる。
つーか、現状が最もいいパフォーマンスなわけで、私のHP MP及びSPと精神耐久値は時間が経つごとに今後は減り続けていくわけで。
ここで逃げたらそれすなわち死なわけで。
ワンチャン私でも手軽に殺れそうな獲物に今後遭遇できる可能性もゼロではないんだけど、魔王城ダンジョン第58階層でそんな生ぬるいことを考えることがいかに無駄かってのは私の脆弱な脳みそでも理解できる。
つまり!
今ここで!
あの鰐猿を!
ステータスだけで言ったらミート・イーター級のあの魔物を!
ブチコロがさなくてはいけないんだ!
嫌だあああああああああああああああ!!!
…。
さて。
とりあえずは作戦を考えよう。
さっきはエンカウントして速攻で仕掛けたせいでカウンター食らって即確殺級コンボ喰らったせいであんな無様を晒したわけだし、とりま私の得意な土俵に引きずり込むところから始めよう。
そこまでいけば多分勝率は五分五分くらいまでは上がると思う。
きっと。
多分
おそらく
…メイビー。
んで、まぁ私の得意な土俵と言えば、分体感染からの状態異常させての戦闘不能になったところに魔法やらなんやらぶち込んでぶっ殺すか、そのまま洗脳で取り込むかの超絡め手戦法かな?
これまで単純に相手との基礎ステータスが違いすぎてずっと正面からぶん殴ってきてたけど、本来の私の戦い方ってやっぱこれなのよねー。
魔女っ子になる以前、バクテリアのままでブイブイ言わせてた時とか単純に絶対ステータス上の物理ステータスの差が激しすぎて逆に搦め手とか使わないとまず間違いなく生き残れなかったし。
とりあえずそんな感じで行ってみますか。
…。
切り札その1は維持させつつ、岩陰から鰐猿の様子を観察する。
私を逃したことがよっぽど悔しいのか、未だ怒りの咆哮を上げながらあたりの壁を殴りつけてる。
あいつも「空腹」デバフかかってたし、私を食えなかったって言う意味で余計怒りに拍車がかかってるっぽいね。
ただ、その怒りのおかげで周りがさらに見えなくなってるのは僥倖。
鰐猿の周囲には私をぶっ潰してぶち撒いた内臓が散らばってる。
もちろんその中には私の分体が潜伏してる。
もうここまで言ったらわかるよね?
揮発し始めた私の血肉と共に周囲の空気に拡散した分体を操作する。
鰐猿は頭部の形がちゃんとあるし、体内構造も外から見たら普通の生物と変わらないように見える。
もし鰐猿がスライムみたいな不定形の生物でかつあの強さのままだったらなす術がないけど、まぁそんときはそん時で別の方法を考えるとして。
暴れる鰐猿の付近に分体を集結させる。
荒い息遣いと共に奴の体内に飲み込まれる分体たち。
どんなに外側を鍛えていても、中身はただの一生物の機構に過ぎない。
鰐猿が私に感染していく。
毒撃が開始される。
鰐猿は不意にふらつき、膝を地面についた。
全身から血を噴き出す。
目から、鼻から、口から、全身の毛穴から身体中のあまねく穴から鮮血が飛び散る。
力のない悲鳴が鰐猿の凶悪な口から微に漏れる。
凄まじい音を立てて鰐猿はその体勢のまま前に倒れ込んだ。
フッ…。
死後強まる念の恐ろしさを見せつけてやったぜ。
私別に死んでねーけどな!
山:はいというわけでね。
ア:いいえどういうわけですか。
山:100000pv &300pt回です。
ア:二つの意味で遅いですよ。
山:へ?
ア:まず100000pv達成したのは1週間前ですし、300pt達成に至っては2週間くらい前の話じゃないですか。
山:い、いやー。なかなか最近なろうにアクセスしてなかったから全然気づけなかったんですよねぇー…。
ア:毎日pv数みて一喜一憂してた山鳥さんはどこに行ったんですか。
山:恥ずかしいからここでそれはバラさないでください…。
ア:それに…前回の50000pv回からここまでくるのに時間かかりすぎですよ。
山:えー。
ア:大体5ヶ月くらい経ってます。
山:マジだ。
ア:それに最近全然投稿してないからpv数もどんどん落ちてってるし。
山:…。
ア:このまま行ったらいずれ誰にも見てもらえず一人永遠にラノベを描き続けるニートに…
山:…やめて…それ結構…リアルダメージがでかい…。




