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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第五章 ミクロな世界の覚醒

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252/552

223 状態異常のオンパレード


高さ10メートル程。

幅およそ15メートルの洞穴。


岩壁それ自体が淡く発光し、暗黒に包まれるはずの石の中でも視界は明瞭だった。


地面には長い年月を経て生成されたと思しき鍾乳石と、濃厚な魔力により結晶化した青い水晶が析出していた。


天井から染み出した地下水が、水深20センチほどの浅い池をいくつも作り出し、池底にも生成された水晶が発光し、水面自体が淡く輝いている。


その場が魔王城である事を一瞬でも忘れてしまう様な美しい地下洞窟の絶景がそこにはあった。


ただ一点を除いて。


その洞穴の端。


この横穴に分岐する別の洞穴に続くその入り口から数メートル内側に寄ったその壁面にはまるでミサイルでも突っ込まれたかの様なクレーターが壁に出来ていた。


クレーターによる亀裂は壁だけでは収まらず、床、天井に至るまでその周辺一帯が無惨に破壊されていた。


よく見てみるとクレーターの中心部には赤い血飛沫が見て取れる。


恐らく元は生物であっただろう赤い肉片はクレーターが最も深くなっている場所を中心に飛び散り、赤いシミを放射状に広げていた。


赤いペンキを被り、紫色に発光する水晶がその生き物の死に様を表すかの様だった。


そして、美しいその景観をぶち壊した(物理)当の本人。


まぁつまり私は、そのクレーターの下の方ですっかり赤く染まった池の淵に座りながら、足の先でチャプチャプ音を立てる水を弄んでいた。


無傷で。



…。



結論から言うと、私は水龍ブレスの回避に成功した。


この横穴に入り込んだ事でマジで危機一髪、消し炭になることからは逃れられた。


いやはや、触手様と触手推進様には頭が上がりませんわ。


まぁ、逃げる時に無制限で触手を生やしたせいでボロボロになってた魔女っ子服が全部消し飛んだり、回避した先の洞窟の壁への激突で触手が全部ミンチになったりはしたんだけど。


今私が生きてこの場に居れることがなによりも重要なわけなのですよ。


ふぅ…て、ててて、だだだだだだだだだ!?


ようやく一息つけると思ったその瞬間、足に突如激痛が走った。


慌てて水から飛び出て、黒く染まった左足を庇う。


庇ったとて痛みは消えず、主張激しく脳に警告を鳴らす感覚神経。


だー!

クソ!


なんなんだマジでこれ。


ふぅ…ふぅー。


取り敢えずさっき邪魔されてできなかった鑑定で精密検査からだね。


一息つけてる今のうちにパパッと解決してしまおう。


というわけで鑑定。



{状態異常:呪を確認しました。}


{状態異常:怨念を確認しました。}


{状態異常:不穏を確認しました。}


{状態異常:呪咒を確認しました。}


{状態異常:深淵を確認しました。}


{状態異常:訃呪咒術を確認しました。}


{状態異常:激痛蝕を確認しました…



…どうやら私の足は思ったよりもだいぶヤバいらしい。


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