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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第五章 ミクロな世界の覚醒

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217 幻錯


死にスキルがマジで完全に死んでいたことを確認した私達は、ダンジョンの散策を再度再開した。


一号が私の前に歩いて草むらを切り開いてくれる。


ステータスで言ったら魔女っ子の方が高いんだし、そういうのは私がやると断ったら、曰く、



{七倍近くのレベル差がある時点で魔女っ子のボディの方が明らかレア度が高いんだし、あんまこういうとこで消耗しない方がいいっしょ。}



とのこと。


全く。

こんないい子に育って私は感動だぜ…。



{ママか。}

{ママか?}

{んー。}

{まぁニアーではありますね。}



そんなことを内輪で駄弁りながら数分間。


安定の食糧…もとい魔物にまたもエンカウントした。


見た目は…なんだアレ。

見たことねーぞオイ。


なんて形容したらいいのかな。


全長は4〜5メートルくらいの植物系ではあるんだけど、明らかな異形種。

ツルが絡まったみたいな触手みたいなやつが輪郭をぐるぐる回って、複雑に絡み合ってる。

体の中心部には幾つもの口がパクパク動いてて、ネトネトした粘液を垂らしてる。


感覚というか、見た目から醸し出される雰囲気はミートイーターに似たものを感じる。


つーか、あー。

これアレだ。


外なるもの的な、深淵系のアレだ。


ぜってー関わっちゃいけない奴だ。


幸い、まだ向こうにこちらの存在は気づかれていない。


草むらが開けた広場の中央に一本ポツンと生えてる大樹の下で一人うごうご蠢いてる。


鑑定して中身を確かめたいけど、無理に欲張って向こうに勘付かれでもしたら厄介だ。


見た目からして10階層のミートイーターみたいなランダムポップの負けイベエネミーの可能性があるし、ここはスルーだね。


まほうつかいは、“逃げる”をせんたくした!

アルラウネは、“逃げる”をせんたくした!


今きた道を、ゆっくり後退する。


11層は毒とかの絡め手ばっかで本体自体が明らかにヤバげな奴はいなかったから、ちょっと気が緩んでたかもしんない。


今回アイツにエンカウントして、その事を改めて感じたわ。


油断も慢心も私のダンジョン攻略には必要ない。


…取り敢えず、美味い飯が食えるようになるまでは。


取り敢えずそう今の行動をまとめて、来た道を引き返す。


一号が草むらを切り開いてくれたお陰で随分楽に進める。


ステータスで言ったら魔女っ子の方が高いんだし、そういうのは私がやると断ったら、曰く、



{七倍近くのレベル差がある時点で魔女っ子のボディの方が明らかレア度が高いんだし、あんまこういうとこで消耗しない方がいいっしょ。}



とのこと。


全く。

こんないい子に育って私は感動だぜ…。



{オリジナル…?}



え、どうした?

不意に、一号が私の裾を掴んで止める。



{何でそっち行こうとしてんの…?}



え?

いや…特に理由はないんだけど…。


だってこっち草むらが途切れてるし進みやすそうじゃね?


あ、ほら広場っぽくなってる。



{おいちょ、は?オリジナル!そっちは!}



え?



{警告、状態異常、幻錯が感知されました。}



へ?



{オリジナル!!後ろ!!!!}



は?



一号の必死な声。

つられて背後を振り向いた。


大きな口がそこにあった。


ガタガタで、妙に人間っぽい平らな歯。


喉の奥の方に、深淵が見えた気がした。


思考加速は働かない。


訳のわからぬまま、私の体はそいつに飲み込まれた。


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