192 慢心ダメ絶対
爆発。
巻き起こる粉塵と共に体が大きく上に打ち上げられる。
視界の端に映る地上には、土の中から飛び出て来た直径10メートル程の穴。
否、大蛇の口。
マズイ…!
上に押し上げられた拍子に魔法が解けた。
再発動、間に合わない。
触手推進、逃げきれない。
浮いた足が空を切る。
チッ。
こうなったら一か八かやるしかない。
{アキネト・サディカルエデヌスからの要請を受け取りました。「触手超推進Lv.6」を発動しました。}
{アキネト・サディカルエデヌスからの要請を受け取りました。「土魔法Lv.10」を発動しました。}
{アキネト・サディカルエデヌスからの要請を受け取りました。「土魔法Lv.10」を発動しました。}
{アキネト・サディカルエデヌスからの要請を受け取りました。「腐蝕攻撃Lv.7」を発動しました。}
ミート・イーター戦。
あの時の凶化魔女っ子の技をトレースする。
触手推進、土纏、硬化、腐食攻撃4連コンボ。
怪しく輝く黄金の右ストレート。
触手推進に加速されたその一撃は、大蛇の装甲を容易に貫く。
ガキャンッ
舞う外骨格。
が。
軽い手応え。
むう。
やっぱ、凶化の分スキルが型落ちしてて、忠実な再現ってのは無理くさいな。
どうやらこのミミズ、図体がデカくて絶対ダメージが大きいだけで、相対ステータスは相当に低いっぽい。
倍率だけでいったらピータンレベルなんじゃないかな?
なんでその結論に至ったのかってことだけど、それは最初の一撃だ。
初撃、軽い牽制のつもりで放ったあの魔法は、軽々とあの蛇にダメージを与えた。
そりゃね、比較する対象がおかしいかもしれないけど、ミート・イーターだったらあんな攻撃1ダメージも受けませんよ。
単純に魔法に対して弱いだけかと思ったけど、型落ちした魔女っ子ストレートでも装甲が砕けたってことは、多分全体的に弱い。
元々弱い個体の倍率を無理くり弄ってステータスだけ強くしたみたいな印象がある。
つまりなにが言いたいのかって言うと。
この戦い、負けようがn…
{慢心ダメ絶対。}
…いえっさー。




