173 常時非常
長々と伸びた思考を一旦等速に戻す。
瞬間、世界は動き出す。
獄闇魔法発動までのインターバルはおおよそ420秒。
獄闇魔法の発動方法が獄洸魔法と同じなら、MPの吸収が起こるのは発動直前のはず。
となると、獄闇魔法発動までの7分間、私はMPを使わずに耐え切るしかないってことだね。
死。
その一文字が脳裏に焼き付いて離れない。
状況は明らかに不利。
勝てるビジョンなんて毛程にも浮かんでこない。
…今までも死にそうな目には何度も会ってきた。
私はその時その時を全力で、できる限り足掻いてきた。
今回も同じようにするだけ。
せめて死ぬにしても一切の悔いは残さぬように。
状況をいつまでも呪ってたって救いはない。
華々しく散ってやろうじゃないか!
…。
分体に魔法の準備をさせる。
放つ魔法は最上級を除くすべての魔法。
洗脳補助をやってる分体以外の魔法は大した威力も出ないけど、ないよりはマシ。
私自身がMPを使えない今、MPは1ポイントだって無駄にできない。
{「土魔法Lv.10」の発動を確認しました。}
{「地魔法Lv.7」の発動を確認しました。}
{「氷魔法Lv.9」の発動を確認しました。}
{「火魔法Lv.9」の発動を確認しました。}
{「風魔法Lv.9」の発動を確認しました。}
{「暴風魔法Lv.7」の発動を確認しました。}
{「雷魔法Lv.6」の発動を確認しました。}
{「雷光魔法Lv.5」の発動を確認しました。}
{「毒魔法Lv.5」の発動を確認しました。}
{「腐魔法Lv.1」の発動を確認しました。}
{「影魔法Lv.6」の発動を確認しました。}
{「暗黒魔法Lv.3」の発動を確認しました。}
{「光魔法Lv.10」の発動を確認しました。}
{「聖光魔法Lv.2」の発動を確認しました。}
{「幻魔法Lv.6」の発動を確認しました。}
{「訃魔法Lv.9」の発動を確認しました。}
{「重魔法Lv.5」の発動を確認しました。}
{「引斥魔法Lv.1」の発動を確認しました。}
1コンマ数秒のクールタイムを経て、あらゆる魔法がミート・イーターに迫る。
激震。
魔力の奔流が洞窟を鳴動させ、罅割る。
やったか?
なんて無益なことは言わない。
やれてるはずがない。
GLUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUU…
案の定、土煙の中から這い出てきたミート・イーターは、その身に何の傷も負っていなかった。
ッチ。
防御力をはじめとして、あらゆる能力が私よりも遥かに優っているミート・イーター。
本来なら軽々避けられた筈の魔法をよけなかったのは、余裕か、自尊心か。
でもそれは自惚れでもなんでもない、奴が己の死線を掻い潜って勝ち得た揺るぎない絶対的強者の地位。
だからこそそれが私の神経を逆撫でする。
それが努力しなかった私を嗤うようで。
それが私に植え付く恐怖を煽るようで。
しかし、現実は非情。
GAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA…!!!!!!
咆哮と共にケダモノが行動を開始する。
山:はいどうも。
ア:お久しぶりです。
山:5日ぶりですかね。
ア:思ったより早かったですね。
山:んまぁ流石に2日連続でPvフタケタ前半はまずいと思った。
ア:ああ。
山:もうモチベーションの危機でしたよ。
ア:その辺りは人気と知名度の非情さですね。
山:ブクマを…!高評価を…!…ください…。
ア:自己顕示用高すぎマンじゃないですか。




