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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第一章 ミクロな世界のバクテリア

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18 テスト終わった後にずっと解けなかった問題が解けるアレなんなん。

…ゲームとかでの裏ワザはとにかく仕様の抜け穴を探してくことだ。


そして、見つけ次第そこを突く。


そうすればきっと何か起こるはず。


HP吸い取る…。

分体。

私に似る。

2048体…。

クローン。


ん?

クローン?


…まった。よく考えてみろ?


クローン?


確かに地球じゃ細菌とかウイルスとかは普通分裂するもんだから全く気にも留めてなかったから、さっきのことも何の疑問も持つことなく分体増やしてたけど、ちょっと待った。


クローンだよ?


元居た地球じゃそういうの当たり前にあったかもしれないけど、ここはМPやらミニマムでレッサーなバクテリアに進化させられるようなクソみたいでバカみたいな世界だけど、ここは地球じゃない。


多分。


そう。


なんとこの世界には地球には絶対に存在しないものがある。


それが、ステータス。


いや、正確にはステータスの中のスキルだね。


当たり前のように聞こえるかもしれないけど、クローンってのはオリジナル、つまり私と寸分たがわず同じ存在だ。


言わば自分のコピーってやつだ。


この自分のコピーっていう部分がこの世界では前世の世界以上に重要な存在となる。


つまり、何を言いたいのかっていうと、この世界で手に入れた私のコピーは、外見はもちろん、ステータスやスキルだってコピーしてることになる。


つまり、ぶっ壊れスキルの「分裂」だってさっき作ったクローンちゃんたちは持ってるはずなんだ。


…試してみようか。


まず試しに一番近くにいた分体に分裂を使うように命令してみる。


ポコポコポコ…。

すると、分体が2体生まれた。


おおお!

でけた!


いける。これはいけるぞ!


このまま鼠算的にいけば私の軍勢は指数関数的に無限に増やすことができるはず!!


この私の天才脳にかかればこのくらい余裕よ!


ひゃっほい…!


…ん?


待て。何か腹部に異変が…っ。


そして、分体から吸収された私のSPは本日三度目の小数点の世界に入った。


オボボボボボボボボボボォォォォオォォォォ…。


…。


ほうわー。食った食った。


顎まで痛くなってきた状態で食ったクマムシの脳は最高にまずかったぜ。


うーん。


でも分体が分体作った後に私からSP吸収しちゃうんじゃ全く意味ないなー。


SP吸収を拒否するってこともできるらしいんだけどそんなことしたら分体を作ってく毎に分体が餓死していくだけなんだよなー。


分体が死んだ後もその分体の分体が生き残ってくれたらいいんだけど、スキルの術者が死んだ後でもそのスキルが作動し続けてくれるってことはたぶんないと思うし。


どうすっかなー。


…。


は!?

そうだ。

もう至極単純に分体に分裂使用後はSPを回復するっていう命令も出しときゃ良いんじゃね?


例えばSPが50%以下になったら私以外の方法でSPを自己回復するとかさ。


あれ?私ってばこんなに頭の回転早かったっけ?

テスト中にこの機転がすぐきけばなー。


んま、いいや。

ちゃっちゃと試してみよう。


…。


先ずは、分裂使用後にSPが50%以下にならないという条件付きでさっきと同じように分裂を使用するように命令する。


で、その後にSPが50%を下回ったら私以外の方法でSPを回復するように命じる。

分裂使えなくなるまでこれは反復してもらって…っと。


よっし。

これで私は何もしなくても分体を無限増殖できる算段がついたってわけだ。


…ふわああ。


そろそろ眠くなってきたな。

こんな体になっても眠気を感じるようになってるっていうのはちょっと驚きだけど。


今日は死ぬほどいろんなことがあったから脳が追い付いてないのかも。


じゃ。

そろそろ寝ますかね。


朝起きたころには分体が1000体位に増えてるのが理想。

おやすみなさい。


あー朝起きたら全部夢だったってことになってくれてないかなー。


最後にそんなことを考えると、途端に私の意識は消えていき、一瞬で暗闇の中へ落ちていった。




{エラーが発生しました。}

{再読み込みするには、code .3の魂体苗床の洗浄を行ってください。}

{応答:確認。}

{洗浄中…}

{エラーが発生しました。}

{中枢のシステムへのアクセス権限が規定値に達していません。}

{魂の変型を行うにはシステムへのアクセス権限Lv.4以上が必要です。}

{応答:確認。}

{事態の重要性から、洗浄を一時保留したまま還元を行うことを推奨します。}

{中枢への影響は微細です。}

{応答:了解。}

{条件が一定に達しました。code.3の還元を行います。}

{エラーが発生しました。}


{code.3の洗浄が不十分です。続行しますか?

ーyes

ーno}


{応答:続行。}

{条件が一定に達しました。スキル「火耐性lv.9」を獲得しました。}

{条件が一定に達しました。スキル「氷無効lv.3」を獲得しました。}

{条件が一定に達しました。スキル「重耐性lv.6」を獲得しました。}

{条件が一定に達しました。スキル「酸耐性lv.2」を獲得しました。}

{条件が一定に達しました。スキル「土魔法lv.1」を獲得しました。}

{条件が一定に達しました。スキル「状態異常耐性lv.1」を獲得しました。}

{条件が一定に達しました。希少スキル「結界lv.2」を確認しました。}

{code.3の還元が完了しました。}

{バックアップ作成中…}

{完了しました。}

{条件が一定に達しました。「咒怨Lv.1」を獲得しました。}

{アップロードに時間がかかります。しばしお待ちください。}

{条件が一定に達しました。…


テスト。


焦燥と嫌悪。


普段とは明らかに違う脳の回転速度。


いつまで経っても解けない問題と刻一刻と過ぎ去る一分一秒。


此方を監視する先生方の目がまるで返し刃のついた銛の様に体を突き刺し、メンタルを削る。


残り5分を伝える先生の声がまるで獄卒の怒鳴り声のように感じ、私の脳が悲鳴を上げる声が心の中で虚しく響く。


チャイム。


鳴り響くその音ともに脳内再生される断頭台に立つ自分の姿。


達成感に満ち溢れた生徒どもの顔面を今すぐこのコンパスでズタズタにしてやりたい衝動に駆られながら敗北感の中惨めったらしく机に突っ伏す。


「あんまできなかったー」と笑いながらほざく友人と、「赤点は追試だからな」と笑顔で伝える担任。


両者に心の中で中指を突き立てながら部活をしに音楽室に重い足を運んだ。


放課後。


十二キロもの地獄のような通学路をズタズタのメンタルで漕ぎ進む。


道行く人間達とリア獣どもの顔面を、胴体を、何もかも滅茶苦茶にしてやりたい欲求を抑え、帰宅。


このバカみたいなラノベ擬きを文字起こししながら、「これ書いてる時代にもっと勉強し解けばよかったなぁ」と後悔している男、やまとりさとよでした。


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