表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第一章 ミクロな世界のバクテリア

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/550

17 惣菜パンって美味しいよね(誰)

この世界に来て初めての夜が明けた。


おはようございます。

朝です。


周り二十四時間真っ白だけどな。

昼夜の概念があるのかすらわからんけどな。


しっかし良く寝たなー。

ふわぁー。


―ブヨ。


ん?


前世の時の癖で思いっきり伸びをすると、触手の先端に何か気持ち悪い感触があった。


…なんだ?


思わず上を見てみると、そこには、タコのような今日も見た目麗醜ミニマムでレッサーなバクテリアがいた。


オロロロロロロロロロロロロロロロロロロロ…。


あー。

最悪。


よく見るとミニマムでレッサーなバクテリアは上にいるこいつだけじゃない。


ちょっと見まわすだけで数百匹のバクテリアを見つけることができる。


なんでこんなことになったのか。


自分でも想像外だったけど、取り敢えず事の発端はほんの数時間前。





あー。だっる。


私が作り出した分体は、既に200体を超えていた。


作ってはクマムシの脳を貪り食い、作っては食い、を繰り替えしていると、流石の大きさを誇ったクマムシの脳も大分減ってきた。


多分もう半分も残ってないんじゃないかな?


まあ、まだ脳のほかに胴体のほうもあるのだけども。


だけど、明らかに私は、自分の体を超える量は確実に腹に収めてるっていうのに一向に出るものが出てくる気配はない。


多分分体作るときとかに使ってるんだろうけど、それでも余過剰分はあると思うんだけどなー。


バクテリア七不思議の一つだわ。


それはまあいいとして、流石のお残しはしないという名のもとに暴食の限りを尽くしている私だけど、それでもクマムシの脳を食べるという行為に飽きてきた。


無味だし。

いくら柔らかいとは言っても顎疲れるし。


特に無味。

これね。


実はこいつが想像以上に厄介だった。


別にクマムシの脳をそのまんま味わいたいっていうわけじゃないけど、何というかこう、物凄い虚無感に襲われることがあるんだよね。


みんなも想像してほしい。毎日毎日一日三食無味無臭の湿った餅しか食べることのできない人生を。


朝、優雅に起きてフレンチな気分で惣菜パンを食らっても無味。


昼、購買に押しかける学生達を横目に家から持ってきた惣菜パンを食らっても無味。


夜、わあ久しぶりのご馳走だって言って家族団欒を妄想しながら一人寂しく惣菜パンを食らっても無味。


…あれ?

これってひょっとして地獄なのでは?


味があるのならわかる。

いくら日々の食事がまずくても、美味しいものはそれなりに希望があって食べることができるわけだから。


でも全くの無味無臭っていうのはきついよなー。

幾ら美味しい食べ物があるとしても、それを味わったり、香りを楽しむこともできないわけだから。


あー。

カップ麺かレンジでチン系のコンビニ弁当か惣菜パンが欲しい。


まあそんなこんなで、そろそろ私は、この行為を続ける上で、精神的にも、肉体的にもかなり無視できないレベルまで疲労してしまっていた。


確かにね、最初はいっぺんにSP限界まで分体出して、すぐ脳食って緩和して、またいっぺんに2体くらい出して、ってやってたんだけど、70体を超えたところから一気に疲労が襲ってきた。


気付いたら、「SP消費緩和」と、「状態異常耐性」って言うスキル生えてきたし。


うーん。なんか楽して…。


ゲフンゲフン。

効率的に分体を増やす方法みたいなのはないもんなのかねー?

もう完全に分体を作ることをやめていた私は、サボるta…。


じゃなくて効率的に分体を作るために頭を回しまくった。


…。


いやー。

全く思いつかない。


取り敢えず初心に戻って分裂の鑑定結果でも見てみますか。


オート君。

鑑定よろー。


{分裂

バクテリア種固有スキル


・オリジナルとなる個体のクローン生成可能。

・SPが九割以上回復することにより発動可能。

・一度生成することでSPを消費する。

・分体は自己の生命を保つため、HP、МP、SPをオリジナルから吸収する。その行為はオリジナルの権限により拒否可能。

・分裂し、できた分体は、バクテリア種固有スキル「自我植樹」により自我を植え付けることができる。

・分隊の数は、レベルによって変化する。Lv.11の場合、2048体生成可能。

・分体はバクテリア種固有スキル、「分体操作」で操作可能。

・分体生成時にSPと同時に熟練度を消費。}


なるほどねー。


改めて明らかにこのスキルだけはほかのスキルとは別格なオーラを放ってますな。


―で、大体の使用が、経験値とSPを消費して術者のクローンを作れて、それをうまい具合に使っていくスキルと。


うーん。

なんだろうなー。


もう少し考えればいい感じのアイデアが浮かんでくる気がする!


頑張れー。

私の脳頑張れー。


惣菜パンって…美味しいよね(キリッ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ