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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第四章 ミクロな世界の侵食

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178/550

158 側から見たらどっちもクリーチャー


バックステッポゥ!


触手を勢いよく地面に突き刺し、突き放すようにして本体をさっきいた場所から後方に飛ばす。


ガツンと背中に走る衝撃。

どうやら飛びすぎて反対側の壁にぶち当たったようだ。


いつつ…

やっぱこういう緊急事態になるとうまく体を動かせなくなるね。


ざっと敵の姿を確認する。


体長はおよそ6メートル。

猫のようにしなやかで丸まった胴体に、蛇みたいに動き回る鋭い刃がついた尻尾。

そこにザ・モンスターみたいな醜悪な顔面が張り付いてる。


なんかまだら模様が脇腹についてるなーなんて思ったらグシュグシュに潰れた人間の顔だった。


おう…。

ラノという可愛らしい名称からかけ離れたえげつない姿してんなお前な。


ま。それはいい。


ラノとの距離は目測でざっと数えて7メートル程。

決して遠い距離感とは言えない。

ラノは既にガッツリ私をロックオンしている。

これが問題だ。


私は、ピータンの時から影魔法と幻魔法を使ってずっと魔女っ子の姿を隠し続けてきた。

それがどうも寝た時に溶けちゃったっぽい。


やらかしたね。

これ、下手したら眠っている間に頭潰されて私ごと魔女っ子が死んでたかもしれない。

そうでなくても、魔女っ子(苗床)が死んだだけでも色々面倒なことになるのは目に見えてる。


でもなー。

眠らないとそれはそれで危ないしなー。




て、今はそんなこと考えてる場合じゃないか。

ステータス的には私が勝ってるけど、それは相対ステータス上の話。

大きさが6メートル近くあるこいつの絶対ステータスは私の三倍近くあると考えた方がいいだろう。


ていうか、あー。

もう次からは絶対ステータス表示するように設定しようかな。

明らかにこのフロアじゃ相対ステータスは役に立たないわ。


ま、そこらへん諸々はこの戦いが終わったらいじっておこうかね。


取り敢えず切り札その一発動!

大抵の場合はこれで私を見失ってくれるけど、こいつはどうだ?


瞬間、私の魔法発動を鋭敏に察したラノは爆発音にも等しい蹴りで地面を踏み締め、ドップラー効果を発生させながら私に迫ってきた。


慌てて回避!

体を勢いよく捻って、一部の触手で身体を包むように、そのほかの触手には毒人を生やし、残りの触手で触手推進スキルを発動。


天地が動転し、強い衝撃と共に体が吹っ飛ぶ。


そのまま勢い余って洞窟の床をゴロゴロ転がる私。

荒い地面が触手と擦れてギャリギャリ音を立てる。


ラノはそんな隙を見逃してくれなかった。


体勢を立て直してる隙に肉薄する異形の肉。


こいつ、図体はでかいくせに異常に速い!

ゴシキンジャー!!

魔法準備!!!


{了解}


私の周囲に魔法が幾重にも展開されていく。


{アキネト・サディカルエデヌスからの要請を受け取りました。スキル「悟Lv.10」を起動しますか?

―yes

―no}


Yes。


{起動しました。}


{アキネト・サディカルエデヌスからの要請を受け取りました。スキル「訃眼Lv.6」を起動しますか?

―yes

―no}


Yes。


{起動しました。}


オーケーオーケー。


これで思考加速×悟での回避読み、それに訃眼による常時ダメージが追加できるようになった。


そうこうしてるうちにラノはもう目前。


魔法発動!


瞬時に展開された魔法は視界を埋め尽くすほどに溢れ出し、魔力の奔流となってラノを覆う。

魔女っ子の魔法能力値に累乗された激流は、それが例え初期魔法であっても破滅的な被害をもたらす。

その威力は火竜として勇者と殺し合った時の非じゃない。


破裂音。


それが聞こえた瞬間、私は本能で体を横に飛ばしていた。


何!?


そこには、さっきまで私が立っていた場所に尻尾を深々と突き刺したラノの姿があった。


ア:先週投稿サボりすぎじゃないですか。


山:しゃーないんすよアカツキさん。


ア:何ですか。


山:実は今日私大会でして、それでいつも帰る時間が補導ギリギリだったんですよね。


ア:それでできなかったと。


山:いえっさー


ア:でも世の中にはこういう言葉のあります。「〆切は命より重い」


山:それを青春真っ盛りの高校生にいうか。


ア:ハァ…でも大会が今日で終わるなら今週はもっと頑張れますよね。


山:いや、再来週期末テスト…


ア:頑張れますよね。


山:いや、え。


ア:山鳥(苗床)さん。


山:イエッサ大佐

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