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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第三章 ミクロな世界の回生

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112 休戦ボス部屋 ①

…何も、火竜に寄生して手に入れた各種部位によって使えるようになった死にスキルは、神眼だけじゃない。


悟の他に、千里眼、五感系でいえばそれこそ触覚聴覚以外にも味覚、嗅覚、それとリアルな意味での視覚が追加されている。


そして、今回使ったのはやっぱり視覚、というか眼球だね。


その名も訃眼。


これが私の持つ切り札そのニ。


敵対する対象を視覚の中に収め続けるだけで大ダメージを半永久的に与え続けることのできるこの能力は、神眼を使っている右目と並行して左目で初めから使用していた。


いや、初めからっていうと語弊があるかな。

正確には女騎士が私に向かって切り掛かってきたあたりからか。


まぁ、それはともかくとして。

現在レベル1の訃眼のダメージ量は8901。

火竜に寄生して魔法攻撃力の絶対ステータス自体は増えてたんだけど、訃眼本体のダメージ量はバクテリアの時の相対ステータスのままだった。


うーん。

何故だし。


…まぁいい。そこは仕様だと諦めよう。


とりあえず、私がこのスキルを使って最初に狙ったのはメイドだった。


理由としては単純に盾役が邪魔だったからだね。


只、やっぱり腐っても盾という事なのか、要塞スキルの結界と各種耐性の単純な防御力と、その膨大なHPのお陰で、体力をこれだけで削るのにはかなり難航した。


そこで今回使ったのが地魔法レベル4、地針だ。


この魔法の特性は、壁や地面、天井のような地があるところなら何処にでも長さ1メートル程度の針を生やすことができるという点にある。


単純な話、全方位攻撃だ。


あの時、魔女っ子は女騎士の転移でMPをかなり消費していて、魔法で地針を防ぐことができなかった。


魔女っ子のHPは決して高くないし、耐性系もほとんど持っていなかったから、魔女っ子を救う為にメイドは要塞スキルを使う必要があった。


それが例え低レベルの魔法であっても。


そして結果として耐性を失い、訃眼をレジストするはずの防御力という盾が無くなったメイドに突き刺さる8901ダメージ毎秒。


それに抗うのは、例えどんなにHPがあろうとも不可能だ。


だからこその牽制兼止めというわけ。


そうして、メイドは死んだ。





さてと。

残るは最後の1人となった魔女っ子だけど。

どう料理してやろうか。


本当ならあんな腐ってもチートステータス持ちの魔女っ子の前でこんな油断はしちゃいけないんだけど、現状、私の想像もつかないレベルでの切り札を切ってこないと、この状況を覆すことはできないというところまできている。


いわゆる九回裏二死満塁ってとこだ。


もっと端的にいうと、詰み。


もう魔女っ子は自身の持つ力全てを引き出して必死を覚悟しても勝利への道筋を見出すことは叶わない。


まぁそれでもまた獄閻魔法みたいな確殺切り札を出されたら流石の私も困るわけだけど。


でも流石にそれはないんじゃないかなー。


魔女っ子は、女騎士を転移させた反動でほとんどのMPを使い切っている。


私以上に魔法特化な魔女っ子にとってそれは死にも等しい筈だ。


それじゃあまだ何かチートスキルを隠し持っているんじゃないかっていう懸念も捨て切れる訳じゃないけど、多分それもないと思われる。


私の持つ鑑定のレベルは全スキルを圧倒的にぶっちぎって脅威の21レベルだ。


そんなステータスの鑑定を偽造するほどの能力はないだろうし、あってもそれはもはや自分でも気づけないんじゃない?


以上のことから、魔女っ子に対する油断というか、怠惰は許されると思うんだけど…。


…うん。

やっぱやめとこう。


格闘ゲームだって圧倒的体力優位な状況でも確殺ハメ技コンボでやられるなんてことザラにある。


まだこの戦いが終わったわけじゃない。


慢心ダメ絶対。


どんな状況だろうと気を引き締めていこう。


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