Feat 勇者パーティ
Feat サラ
「パ、パクテル、アクストラレータ…」
アリスちゃんが、普段の気丈な雰囲気からは想像できないような怯えた声を出して言います。
「パク…なんです?」
あのアリスちゃんがこんなにも怯えた声を出すなんて只事じゃありません。
一体なんのことなのか気になった私はそう聞きました。
…まぁなんのことなのかは大体予想がつきますが。
「あの…竜の名前よ…サラも見てみるといいわ…。」
名前…ですか。
アリスちゃんの言う通り、私も鑑定を起動します。
{ホモ・サピエンス・サピエンス 名リルラク・フォン・サラの要請を受けとりました。人族固有スキル、「勇者 lv.10」起動しますか?
―yes
―no}
はい。
私が鑑定を起動したと同時に、真っ白な見た目にそぐわない凶悪な竜のステータスが映し出されました。
{パクテルアクストラレータ lv.6
HP 510
МP 497
SP 398
平均瞬発力: 509
平均攻撃能力: 2062
平均魔法攻撃能力:9001
平均防御能力: 808
称号: (微生物の捕食者)(ウイルスの捕食者)(バクテリアの捕食者)(抗魔)(バクテリアの殺戮者)(呪怨の支配者)(禁忌)(外道ノ極ミ)(悪食)(喰蝕)(身内喰ライ)(魔導王)(進化)(傲慢))(ミクロの殺戮者)(下剋上)(上位種)(増幅)(魔禍)(魔導帝))(フォート・エスプリットモート)(最上位種)(ロワー・ロワー・バトル)(破滅の因子)(火竜)(王鱗)(鳥類の捕食者)(人類の捕食者)
スキル :「大分裂 lv.2」「産卵 lv.1」「猛毒刺 lv.3」「猛毒刃 lv.l 3」「猛毒 lv.l 3 」「大洗脳 lv.l 1」「大吸収 lv.l 1」「大分体操作 lv.l 2」「大自我植樹 lv.l 2」「空気大感染 lv.l 1」「弱点可視化 lv.l 10」「思考加速 lv.l 8」「思考大加速 lv.l 7」「演算処理lv.9」「高速演算 lv.8」「物理攻撃耐性 lv.8」「状態異常耐性 lv.10」「火炎無効 lv.1」「氷無効 lv.5」「重耐性 lv.9」「酸耐性 lv.6」「光耐性 lv.3」「呪耐性 lv.6」「土魔法 lv.10」「地魔法 lv.4(new)」「氷魔法 lv.5(new)」「火魔法 lv.4」「風魔法 lv.5(new)」「暴風魔法 lv.4(new)」「影魔法 lv.3」「光魔法 lv.7」「幻魔法 lv.3」「訃魔法 lv.5」「呪
lv.9」「結界 lv.6」「物理大攻撃 lv.2」「腐蝕攻撃 lv.1」「触手超推進 lv.1」「SP 消費緩和 lv.5」「視覚大強化 lv.5」「悟 lv.8」「怒 lv.10」「呪怨 lv.4」「憎悪 lv.4」「魔導王 lv.5」「魔導感知 lv.3」「魔導帝lv.2」「体長変化 lv.5」「МP 消費緩和 lv.4」「МP 自動回復 lv.6」「分体爆破 lv.3」「ゾンビ生成 lv.3」「ゾンビ操作 lv.3」「錯乱 lv.2」「五感破壊 lv.2」「内臓麻痺 lv.2」「訃攻撃 lv.2」「訃耐性 lv.2」「訃眼 lv.1」「凶化lv.2」「火竜lv.5」「火炎耐性 lv.4」「飛翔 lv.3」「HP自動回復 lv.8」「MP自動回復 lv.8」「SP消費緩和 lv.5」「集中lv.4」「豪腕 lv.4」
経験値: 110195}
恐ろしいまでのステータスの高さ。
尋常じゃない量のスキル。
あまりにも理不尽で、あまりにも不可解なその結果を見て、私もアリスちゃんと同じように動きを止めます。
心臓が鳴り響いて、落ち着きません。
血が、全身を駆け巡るのを感じます。
全身の体温がどんどん下がっていくのがわかります。
側から見たら私は、顔を青ざめさせて、明日を震わす気の弱い女の子にしか見えないでしょう。
誰も貴族の端くれなんて思わないはずです。
そのくらい、私は怯えていました。
しかし、そんな時でも私を助けてくれたのは彼でした。
「しっかりしろ!」
私の前から、男らしく熱い、それでいてどこか優しい低い声が発せられました。
ジョン君です。
「…え。」
「ああ確かにな。アイツはやべえ。おそらく今までにであったどの魔物よりも強いだろう。
でもな!
俺らは勇者だ!
国を助け、家族を救う、勇者なんだよ!」
「確か…に。」
「そうよ!そうよね!」
「ああそうさ。それにな、俺だって男だ。いざとなったら死んででもお前らを守って見せる!」
「ジョナサン…。」
本当に…本当にジョン君は優しいです。
優しすぎます。
でも…だからこそ無茶をして欲しくないんです。
傷ついて欲しくないんです。
だから…ごめんなさい。
………………………………………………………………………………
Feat ジョナサン
怯えていたアリスとサラを勇気づけた後、俺は再度火竜に視点を定める。
今や体色は真っ白に染まり、素の火竜とは全く別格の雰囲気を漂わせる目の前の存在は、爆発的な殺気を放ち続けている。
間違いねぇ。
鑑定なんてしなくてもビンビン伝わってくる。
こいつは…龍だ。
ごクリと、俺の生唾を飲み込む音が響く。
カタカタ音が聞こえると思ったら、俺の剣を持つ腕が震えて鎧と擦れてなる音だった。
ははっ。
ビビってるのはどっちだ。
コレじゃあさっきアリスたちに言った言葉が無駄になる。
必死で剣の震えを抑え、今一度白龍の方に殺気をこめる。
睨み合う俺と白龍。
緊張が走る。
しかし、その緊張を破って入ってきたのは、サラだった。
「ジョン君。」
戦闘中だというのに話しかけてくると言う普段の彼女の性格からしたら想像できないよう
な行動をしてきたことに軽く驚きながら、俺は聞き返す。
「何だ?」
「ジョン君は、優しいです。ジョン君は、その優しい心と言葉で何度も何度も私達を救って
くれました。」
「お、おう?」
唐突に言われた賛辞の言葉に戸惑いながらも続きを促す。
「だから、ジョン君、貴方はこれからもその優しい心を使っていろんな人を助けていく必要があります。
貴方は、もっともっとたくさんの人を勇者として救っていかなくてはいけません。」
「ああ。そうだな。」
俺への人称が「貴方」に換わったところに何か引っ掛かりを覚えたが、取り敢えず肯定の意を表す。
「ええ。だから貴方は生きてください…私達の分まで…。」
最後の一言に何か尋常じゃないものを感じた俺は、白龍との睨み合いを放棄し、サラの方に向き直る。
…サラは、泣いていた。
初めて会った時と同じように、その大きな両目から大粒の涙を流して。
…サラは、笑っていた。
初めて会った時と同じように、その可愛らしい口を微笑みに変えて。
「おい!サラッ!」
慌てて駆け寄ろうとするも、それは叶わない。
「さよなら。…大好き。」
一言そう言い、サラは俺に向けて両手を突き出し、空間魔法を行使した。
…。
気がつくと、そこはサラと初めて会った魔法学校の校庭だった。
かつて一緒にここで魔法を、剣を交えて訓練しあった記憶が蘇る。
外は夜だったらしく、周りには誰もいない。
そう。
誰もいない。
前を見ても後ろを見ても横を見ても上を見てもどこを見ても。
誰もいない。
あの恐ろしい白龍も。
サラも。
アリスも。
ルナも。
背中を預けあい、互いに信頼、いやそれ以上の感情で繋がっていた彼女たちは消えていた。
否。
俺が、消えていた
「ああ゛ああっああああ゛ああっああだからああぁぁああああ゛ああ゛ああっああああ゛
ああっああだからああぁぁああああ゛ああっああっああっぁああ゛あああっっあああああ
あぁああ゛あぁああ゛ああっああああ゛ああっああだからああぁぁああああ゛ああっああ
っああっぁああ゛あああっっああああああぁああ゛あぁああっああ゛ああぁああっああ゛
ああああああっああ゛ああぁああっああああ゛ああっああああ゛ああっああだからああぁ
ああ゛ああっああああ゛ああっああだからああぁぁああああ゛ああっああっああっぁあ
あ゛あああっっああああああぁああ゛あぁああっああ゛ああぁああっああ゛ああああぁあ
あああ゛ああっああっああっぁああああ゛ああっああああ゛ああっああだからああぁぁあ
あああ゛ああっああっああっぁああ゛あああっっああああああぁああ゛あぁああっああ゛
ああぁああっああ゛ああああ゛あああっっああああああぁああ゛あぁああっああ゛ああぁ
ああっああ゛ああああ゛ああああああっああ゛ああっああああ゛ああっああだからああぁ
ぁああああ゛ああっああっああっぁああ゛あああっっああああああぁああ゛あぁああっあ
あ゛ああぁああっああ゛ああああああっああっぁああ゛あああっっああああああぁああ゛
あぁああっああ゛ああぁああっああ゛ああッ!!!!!!!!!!」
誰も居ない校庭に、俺の絶叫が響き渡る。
「何が!何が勇者だ!
このなんの役にも立たないスキルが!
人一人すら助けられないこのクソが!
クソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソクソッ!」
誰か、誰か助けてくれ。
救いようのないこの絶望を。
救いようのないこの虚無感を。
救いようもないこの無力な男を。
静かに彼女たちへの歌を唄っていた鈴虫だけが、俺の絶叫を聞いていた。
ア:罪人、やまとりさとよ。何か弁明することはありますか。
山:罪人!?
ア:罪人ですよ。…全く。二日も投稿開けて何してたんですか。
山:端的に言うと寝落ちしてました。
ア:天Ty…
山:ストップ!これにはK2より大きく、マリアナ海溝より深いわけがあるんですよ。
ア:ほう…?
山:まず1日目ですけど、目が痛すぎてうつ伏せで唸ってたら、寝落ちしてました気づいた時には2時でした。
ア:そこからやればよかったのでは。
山:やろうとしましたさ。ですがびっくり、僕の勉強机の上にはその日に提出しなくてはいけないドリル(60ページ)が丸々生まれた時の姿でそこに鎮座してたんです。
ア:それはホラー。
山:ということで気づけば朝チュンしてました。
ア:成程。二日目は?
山:二日目は課題曲のバスドラが打てる気がしなくてふて寝してたら朝でした。
ア:随分あっさりでしたね。
山:二日目はメンタル的に無理だったのです。
ア:成程。まぁでも二日も休んだと言うことはストックくらいはだいぶ溜まったんじゃないですか?
山:…。
ア:…何文字書いたんですか?
山:二文字…
ア:天誅!
山:グボヘアッ!
ア:と言うことで今日からまた毎日投稿させますが、山鳥のモチベのためにも高評価とブクマお願いします。




