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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第三章 ミクロな世界の回生

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106 開戦ボス部屋 ③

次に仕掛けてきたのは勇者パーティだ。


{「聖魔法 lv. 2」発動確認。}

{「聖魔法 lv. 4」発動確認。}

{「聖魔法 lv. 6」発動確認。}


三連続で魔女っ娘の魔法が炸裂する。


若干のひやりとした感覚が背筋を撫でる。


が、しかし私の HP は一ミリも変化しない。

つまりさっきの魔法は攻撃スキルじゃなかったてことだ。


じゃなに?


思考加速で加速された思考間魔女っ娘のステータスを読み込んでその結果を引き出す。


{聖魔法

希少スキル


・術者周辺の聖を操作する権限を与える。

・使用可能魔法はレベルによって変化する。

Lv. 1:小治癒付与

Lv. 2:加速付与

Lv. 3:中治癒付与

Lv. 4:増力付与

Lv. 5:大治癒付与

Lv. 6:魔力付与

Lv. 7:悪鬼絶

Lv. 8:防御付与

Lv. 9:悪鬼滅


特記事項:消費МP はレベルによって変化する。}


付与能力!


あの中で近接戦闘ができるのは女騎士だけ。


つまりアイツが強化されて…っ!


その思考が完結するより早く、火竜の爬虫類じみた縦切れの瞳孔が人外の速度で加速する女騎士が迫ってくるのを認知する。


ッッ!


女騎士の剣の切っ先が火竜のうろこをなでると同時に火翼を全力で羽ばたかせて急速に身体をボス部屋の最高高度地点まで吹き飛ばす。


羽ばたいた風圧で砂埃が舞い上がり、女騎士の動きを牽制する。


っく。


回避したとはいえ、強化された女騎士のの攻撃が少しかすっただけで HP が多少減る。


…でも、ここはちょうどいい高度だ。


{「土魔法」発動準備完了。}

{「地魔法」発動準備完了。}

{「氷魔法」発動準備完了。}

{「火魔法」発動準備完了。}

{「風魔法」発動準備完了。}

{「暴風魔法」発動準備完了。}

{「雷魔法」発動準備完了。}

{「雷光魔法」発動準備完了。}

{「毒魔法」発動準備完了。}

{「影魔法」発動準備完了。}

{「光魔法」発動準備完了。}

{「幻魔法」発動準備完了。}

{「訃魔法」発動準備完了。}

{「重魔法」発動準備完了。}


完璧なタイミングで分体の魔法の準備が完了する。


よし。

放て。


地が、氷が、火が、嵐が、轟が、毒が、影が、光が、幻が、死が、重が、重なり合って響きあって混ざり合って砕けあって荒れ狂う。


魔法の概念が曖昧に混ざり合い、魔力の塊となったインパクトが勇者パーティに迫る。


が、しかし。


{要塞 lv. 8 発動確認。}

{要塞 lv. 9 発動確認。}


突如として展開されたガラスのような半円球の物体によって、魔法がすべて霧散する。


あれは…結界?

粉塵が晴れ、結界の中心に立っていたのはメイドだった。


やっぱアイツか。

魔女っ子の時と同じ要領で私の魔法を防いだスキルを鑑定する。


{要塞

希少スキル


・自身を中心とし、要塞足る守護を与える。

・使用可能能力はレベルによって変化する。

Lv. 1:防御力上昇(小)

Lv. 2:防御力上昇(中)

Lv. 3:防御力上昇(大)

Lv. 4:三式物理結界張展

Lv. 5:三式魔法結界張展

Lv. 6:四式物理結界張展

Lv. 7:四式魔法結界張展

Lv. 8:五式属性結界張展

Lv. 9:五式半魔結界張展


特記事項:発動により、一定時間全属性耐性使用不可。}


…んで。

私の攻撃を防いだのはこの中の「五式属性結界張展」って奴と、「五式半魔結界張展」って奴だ。


配分としては恐らく属性結界で訃魔法やらの特殊な魔法、半魔結界で通常魔法をレジストしたんだと思う。


で、ここでのデメリットが一定時間全属性耐性使用不可。


つまりメイドの防御力はゼロ。

紙とも言えない紙装甲。


叩くなら今しかない。


火竜スキル火翼を調整。

大きく羽ばたかせて天井から自由落下よりも速く下降する。


「ガルァアアアアアアアアアアアアアア!」


吠える私。

理性は吹き飛び、オルガズムに似た快感とともに目の前の敵だけを滅ぼさんと臨界点に達したブレスと火炎が撒き散らされる。


放たれた炎は岩を溶かし壁を燃やし、結界さえも砕かせる。


結界が砕かれ、無防備な姿があらわになる勇者パーティ。


私は空中で縦回転し、炎を纏った尻尾を思いっきり叩き付ける。


…筈だった。



…。



一瞬、何が起こったのか分からなかった。


ザン!と、何かを切断したような音がした後、私の尻尾が吹き飛ぶのを見るまでは。


鮮明に火竜から伝わってくる戦闘態勢では感じることがなかった激痛。


一気に消費される HP。


血飛沫とともに見たのは綺麗なまま剣を振り下ろす女騎士の姿。


女騎士は空中で一度回転し、体制を立て直した後に空を走るように私に向かってくる。


視線は首、視界は私の死を見ていた。


そして、剣は振り下ろされ…私の HP は底を尽きた。

ア:あ。最近鬱アニメ周回しすぎて脳が破壊された山鳥さんじゃないですか。


山:宝石が…砕けて…。


ア:死んでらっしゃいますけども。


山:もうギャグとか考えられる脳みそにないぜ。


ア:だから最近シリアス多めなんですね。

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