99 回避不可能全体即死攻撃弾幕ゲー
それからは地獄だった。
私たちは、ほぼ避けるのが不可能な縦横無尽に動き回る壁をひたすらに避けまくった。
途中、軍隊の半分が巻き込まれて死んだり、食料が押しつぶされることによる精神的ダメージを食らったりしたけど、それでも必死に逃げた。
それこそウサギでさえも裸足で逃げだせることなく弟子入りを懇願してくるレベルで逃げまくった。
ここまで必死になったのは前世含めて三回目くらいかもしれない。
しかし、それでも壁の動きは時を追うごとにどんどん加速していき、分体もどんどん死んでいき、私達はある決断をしなくてはいけなくなった。
{オリジナル!ヤバい!これはもうやるっきゃねぇ!}
{洗脳だ!洗脳!}
洗脳!?
この状況で!?
馬鹿!?
{ばっきゃろ!分体使うんだよ!}
あ。
なるほど。
大洗脳もちは誰だ!
{パクテルだけだよ!}
そっか!
ごめんね!
パクテル!
ゴー!
ギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャギャ!!!!
{ギャー!}
{ギャー!}
{ギャー!}
{ギャー!}
{ごふっ。}
ご、五ごおおおおおおううううぅ!!
{だ、大丈夫です。}
{フォート・エスプリットモート lv.4
HP 3/150
МP 373
SP 283/109
平均瞬発力…}
いや瀕死いいいいぃぃぃ!
{オリジナル!薬合成!}
おうよ!
{パクテルアクストラレータからの要請を受け取りました。バクテリア種固有スキル「薬合成 lv.1」タイプ、HP 回復ポーション(最下級)を起動しますか?
―yes
―no}
もち yes!
そんでもって最大量合成!
ポコポコポコポコポコ…。
ジャバァ!
空中に生み出された洪水のようなHPポーションにより、五号の HP が高速で回復していく。
{フォート・エスプリットモート lv.4
HP 119…/150
МP 373
SP 283/109
平均瞬発力…}
{こほっ…。ありがとうございます。}
いや、大丈夫!
動ける!?
{今度こそ大丈夫です。}
ならオーケー!
{オリジナル!前!前!}
な!
避けろぉぉおおおおお!
ギャギャギャギャギャギャン…!
{ギャアアアアアアアアアア!}
よ、四ごおおおおおおおおぉぉぉ!
…。
そしてさらに時は経ち。
ようやっと。
{頭と思しき部位に到達。}
きたああああああああああああああ!!
{よっしゃぁああああああああああ!!}
ナイスパクテル!
そんじゃそのまま洗脳開始!
{了。…緊急事態。体内への侵入不可。}
な!
{マジ!?}
魔法でも!?
{了。試行中…。体内への侵入不可。}
マジか。
{どうする?}
考えろー。
考えろー。
どうすればいい?
{口から入ればいいんじゃね?}
口?
あ、ああー!
分体!口に急行!
{了。}
よしいった!
あと少しで洗脳が始まる!
{で、その間私たちは…?}
…ギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリ…!!
逃げろおおおおおおおおおおおおおお!!
{うわああああああああああああああ!!}
…。
それからさらに永遠とも思えるような地獄の時間が過ぎ…。
ついに…。
{口と思しき部位に到達。体内への侵入を試みる。…成功。}
成功?
成功。
成功!
おっしゃ!
パクテルはそのままどんな手を使ってでも脳に行け!
{了。}
{いった!?}
いったぜ!
ラストスパートだ!
ギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリ!!
逃げろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!
{うおわわわあああああああああああああああああああああ!!!}
…。
私たちは頑張った。
分体達が体内に入ってもなお火竜は暴れ続け、何度も何度も衝撃によって吹き飛ばされ、潰されかけ、死にかけたけど、何度も何度も立ち上がって逃げ続けた。
そして、私達の HP、МP、SP の残量がすべて一様に一割を切ったとき、ようやく火竜が動きを止めた。
ふう。
ちょっといろいろあるかもしれないけど、これだけは言わせてほしい。
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神様のバカヤロー!
山:まさにばかやろーだぜ
ア:唐突ですね。
山:だって…
ア:なんです?
山:新規さんが増えないんだもん。
ア:生々しい上にめんどくさいですね。
山:うぁぁぁぁあ。
ア:もうちょっと新規さんが読みたくなるような小説作り頑張ってください。




