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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第一章 ミクロな世界のバクテリア

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10 作業ゲーから始まる悟りな生活


さらに数時間ほど時が経ちました。

体感的にみるともう数十時間経ってるような気はしてるんだけど、多分まだ2時間くらいかな。


ガンガンやってもまったく効果がないとはいえ、やっぱり塵も積もればなんとやらで、切り傷っぽい傷が出てきた。


2時間もやってんのにその程度しかできないのかっていうクレームは受け付けません。


だって固いんだもんよ。

この耐性祭りの超生物。


でもクマムシもちょくちょくやばいと感じて来てるのか来てないのか分かんないけど、私を振り落とそうとくねくね体をよじってる。


ふっふっふ。

貴様が気付いた時にはもう手遅れなのさ。


はっはっはっはっはー。


まあ、まだ薄皮一枚破った程度だと思うけど。


…。


ガンガンガンガンガンガンガンガンガンガン…………。


開始してからおよそ十数時間が経過した頃、私は完全に無我の境地に達していました。


何故か全く疲れないこの私の体は、数時間、いや、数十時間、刃を振り上げ、振り下ろす。という作業を開始から数十時間たった今でも全く衰えを知らないまま、黙々と行っていました。


途中、何やら空から


{熟練度が一定に達しました。スキル「物理攻撃lv.2」を獲得しました。}


とかいう声が聞こえてきましたが、全く前と後では変化がなかったので、その時は多少乱れてしまいましたが、直ぐに冷静さを取り戻し、作業を続行することができました。


もしかしたらこのままいけば悟りの道を開けるかもしれない…。


私がほぼ全く聞いていなかった歴史の授業で聞こえてきた仏教の真髄に触れかけていた時、またも無情な声が天から私の脳内に降り注いできました。


{熟練度が一定に達しました。スキル「物理攻撃lv. 3」を獲得しました。}


へ?

ほひゅわ?


ヨッッッッッッッッッシャアアアアアアアアアァァァァァァ!!!


そしてその声によって私が触れかけた、仏教の真髄、ブッタ様のお姿を見ることなく忘却の彼方へと消え去ってしまいました。


ヤッッッタァ!「物理攻撃lv. 3」?


これで勝つる!てかこれでまた勝てなかったらまたしばらく意識吹っ飛ぶかもしれない!


え?

悟り?

ブッタ様?

何それ?

私、無抵抗の化け物ずっと殴ってただけだよ?


{ミニマムレッサーバクテリアからの要請を受け取りました。スキル「物理攻撃lv.3」を起動しますか?

―yes

―no}


もちのろんでイエッス!!

これでこいつとの決着も 付 け ら れ る … !


ヒュンッ

ドブシュッ


刃をあの固い装甲に振り下ろした振り下ろしたときの音と感触は、今までの、


カッキー―――ン。

かってーー。


の、あの音と感触とは明らかに違っていた。


ああは言ってもやはり信じられなかった私の眼はその時、 この転生していきなり始まったデスゲームの決着が完全に決した事を確認していた。


そこには、何本もある私の触手のうちの一本が耐性祭りの微生物の皮膚を貫通し、深々と突き刺さる様があった。


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