92 気合いだけじゃどうにもならんことも、ある
おまっお前!
どうした!
触手推進!
希少スキルだろ!
お前!
そんな簡単にとられていいのか!
誇りはぁ!
まあ私も割とあっさりとってた気がするけど希少スキルの誇りはぁ!
つーかイグアナお前も私の応援にそんな従順に反応して成長すんなや!
はぁ。はぁ。
落ち着け落ち着け餅つけ。
奴は触手推進を獲得した。
いまは私のレベルアップしまくった思考加速スキルのおかげでこんな悠長に思考できてるけど、現実の時間が止まってるわけじゃない。
なんとかスキルで紡がれたこのわずかな時間でこの状況を打破する方法を探さないと。
先ずは状況確認。
これ大切。
現状、私は動けない。
敵は、触手推進獲得で移動可能。
しかし思考加速スキルで私には若干の猶予あり。
ん?
なんかこの状況に似たことがだいぶ前にもあった気がするな?
デジャヴ?
まあいい。
この状況で私が取れる最善は、体の操作権を一刻も早く獲得すること。
要するに大洗脳にお任せ。
ただ、それじゃああいつが私のところに来るまで間に合うかわからない。
だから一番最初にすることはこれ。
ドゥアアァァァアアレカアァァァァァアアアアアアア!
いませんかぁぁああああああああああああああああ!!
いちごおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
二、三、四飛ばして
ごごぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
分体への救助要請。延いてはスキル権限の再獲得。
これだ。
さっき私のステータスを見てみたけど、アクション系、つまり、一々起動しなくちゃ発動できない魔法スキル以外の奴以外は全てが起動したままの洗脳前の状態でまんま残っていた。
つまり、分体達は今も私の近くにいるはずだ。
そうとわかればこっちのもの。
叫ぶ。
ひたっすらに叫ぶ。
そうして大洗脳の回復順序を入れ替える。
そして結果。
{熟練度が一定に達しました。スキル「触覚強化 lv.l 1」を獲得しました。}
…どぉぉぉぉしてだよおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
何故だ!
なんかさっき頑張って漢字たくさん使って考えてた私がバカみたいじゃないか!
確かに私自身も叫んだところでどうにかなるのかなんて全く思ってなかったわけだけど!
ぶっちゃけ何もしないよりはいいかなーみたいな考えで適当な理由つけてやっただけだけど!
空気読め!そこは普通あれだから!
なんかいろいろ復活させるところだから!
なんだよ!触覚強化って!
ふざけんなよ大洗脳!
あー。
虚しい。
しかし改めて何で触覚強化なんてスキル手に入れたんだろ。
獲得条件も謎だし。ほぼ意味なんてなさそうなスキルだけど。
いや、まて。
…んう?
なんか、ほわほわする。
今までこんなことなかったのに。
これか。触覚強化。
結構気持ちいいな。
なんか、イメージ的には空中を漂ってる感じ。
水の中でぷかぷか浮いてるみたいな。
ま、泳げたこと前世含めて一度もないけど。
うーん。
以外にいいスキルだったかもしれないね。
こいつ。
さっきボロクソに言ってごめんなさい!
ウゴォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオ゛…
うごー?
何事?
奇妙なうなり声を聞き、顔を上げてみると、イグアナはもう目の前まで迫ってきていた。
ブッ。
あぎゃああああああああ!!!
こなくそ!
食われる食われる食われる食われる!
ヘルプ!
ヘルプ!
ゴシキンジャーァァァァァアアアアアアアアア!!
ヘルプゥゥゥゥミィィィイイイイ!!
ゴシャッ…
アガァァァァアアァア゛ァァア゛ァァア…
そんな心の底からの願いが通じたのか。
目の前まで迫ってきていたイグアナは、耳障りな擬音とともに突如肉塊となった。
イグアナの欠片が私にビチャビチャと当たる。
何!
何!?
マジで何事!??
{洗脳が完了しました。}
{は、ハロゥ?オリジナル?…大丈夫だった?}
そんな私の困惑をよそに、気づけば物事は進んでいた。
山:…ピクッ…ピクッ
ア:こちら、先日朝5時まで複素数をやってた山鳥でございます。
山:…ゥアアアア
ア:徹夜明けの疲れによる身体的消耗と、1日投稿休んだせいでpv数が激減したことに対する精神的消耗により、死にかけております。
山:わかってたんだ…徹夜は良くないし…投稿しなきゃ見てもらえないってことくらい…でもやっぱつらい…
ア:多少病んでいらっしゃいますが、あとがきはギャグ漫画的なサムシングなので次回には多分直ってるはずです。それではまた明日。
山:……あと…
ア:はい?
山:いいねとブックマークと感想お願いします…。
ア:もらえると多分山鳥は泣いて喜びます。
アンチコメでも可。
山:今アンチコメ食らったら死ぞ。
ア:…可で。
山:さては鬼だなテメェ




