90 リバイバル
祝100話
{熟練度が一定に達しました。希少スキル「視覚強化」を獲得しました。}
「洗脳」が、起動時に最初に術者に伝えた五感は「視覚」だった。
…んう。
眩しい。
不定形な視覚を補っていたスキル、「視覚強化」が、瞳という器官を得たことにより、術者は今までに感じたことがないほどの暴力的な光量を体験していた。
…つーか眩しい。
マジでまぶしい。
本当に鬱陶しい。
只、視覚強化の努力は、術者には余計なお世話ととらえられたらしい。
…視覚強化のせい?
…何それおいしいの?
オフにできる?
あ、できるんだ。
んじゃ、オフで。
そして、あっさり視覚大強化は切られた。
次に洗脳が再生させ、術者の脳に繋げた情報は、「触覚」であった。
{条件が一定に達しました。スキル「触覚強化」を獲得しました。}
…んだろ。
なんかふわふわするような感触が全身に。
んー。
結構気持ちいいなこれ。
触覚強化?
いいスキルですなー。
私の性格なら何だかんだ鬱陶しくなって切りそうだけど。
結果、「視覚強化」はつかの間の安息を得た。
さらに次に洗脳が術者の脳と接続したのは、「聴覚」であった。
{熟練度が一定に達しました。「念話」を獲得しました。}
…念話?
よくラノベで見る、というかラノベくらいでしか見ない念動的電話的な?
ベルの努力を冒涜するあの?
へー。
いったいどこで熟練度稼いでたんだか。
もらってもって感じだし。
ま、コミュ障には無縁の長物ですなー。
かくして、「念話」は封印された。
そして最後に、洗脳は、術者のシステム上最高レベルの初期値を個体名:魔王に上書きした。
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おはようございます。
昼です。
ここは普通朝っていうところなんだろうけど、お腹の減り具合からして昼だと思われます。
おなか減りました。
本当におなか減りました。
今現状?
マジでヤバいっス。
なぜか体が私の言うことを聞かないんっス。
よくジャ○プ漫画で主人公が力を出し切って指一つ動かせないあれみたいな状況っス。
正直パニックっス。
後この語尾に「ス」ってつけるタイミングを完全になくしたのにも困ってるっス。
白だか黒だかよくわかんない空間に放置されてるような感覚でござる。
これ絶対理由「大洗脳」だよねー?
恐らく、今私はジョコロウの脳ミソの中にいると思われる。
一瞬過去のあの事件のことが頭をよぎるけど、オート君によれば「洗脳」の時にあったバーサクデバフは「大洗脳」に進化してなくなったはず。
だから安心。
安心…のはず。
絶対…。
多分…。
きっと…。
誰かそうだと言って!
さっさと言えや。ゴラ。
はあ。
何もない空間で何言っても無駄か。
ちょっと落ち着こう。
というか心の声を無視してでも無理矢理落ち着けないと私の精神が死ぬ。
私の精神はそんなに硬度を持ってないのですよ。
なんでラノベのイキリ系無双(夢想)主人公たちはこういう時あんなにすぐ落ち着けるんだか。
あれ多分「ここで焦らずとも俺は絶対に死なない」っていう無意識の自負があるからだと思うんだよなー。
これが強者の余裕って奴か。
畜生。
うん。
いつも通り脳内茶番してたら落ち着いた。
脳内茶番優秀。
オート君の次の次くらいに優秀。
うんうん。
…しっかし本当に何もないなー。
今いる空間を一言で表すと、虚無。
二文節で表すなら瞼裏の世界?
ふ。今ちょっと痛いとか思ったそこの君。
私も思った。
しっかしここからどうっしよっか。
お腹はすいている。
それは変わらない。
でも、前回の進化の時みたいな命の危機を感じるほどじゃない。
これも SP が上がったお陰なんだろうねー。
嬉しか嬉しか。
でも、ずっと耐えられるほど私の忍耐力も高くはない。
正直この状態が後何日も続くってなったらさすがの私でも身体的にも精神的にも色々とまずいことになるかもしれない。
だから誰でもいい。
早く何とかしてくれ。
せめて目を開けられるくらいには回復させて。
ん?
いや、目はないんだったっけか。
うん。
パァァァァァァァァァァァア…!
そんなことをのんきに考えていたら、突然天から地獄に差し込む如来の後光よろしく尋常じゃない光量が私の視界いっぱいに広がった。
山:百話突破ー。
ア:長かったですね。
山:なんだかんだで一年近くかかったよ。
ア:取り敢えずおめでとうございます。
山:うへ。
ア:して人気は。
山:出てません…。
ア:未だに?
山:底辺です…。
ア:誰かこの哀れな肉塊に慈悲をやってください。
山:前章のトラウマ持ってくるじゃん…。




