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ミクロな世界の女子大生  作者: やまとりさとよ
第一章 ミクロな世界のバクテリア

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9 アルティメットでルナティックなハード目の細菌生


ーとは言ったものの…。


どうやってこの馬鹿みたいに硬い装甲を砕こうか。

さっきから刃をガンガンガンガン間髪入れずに打ち付けてるんだけど、一向に傷がつかない。


正直なところ、これを突破する未来が見えない。


まぁ、一番の弱点って事で、1番強く作られてるんでしょ。


人間だって脳とか心臓は骨とか毛で守られてるもんね。


でも、このまんまじゃ。こいつを倒すのに何年もかかりそうだな。


うーん。

有効打が思いつかねぇ。


取り敢えず馬鹿っぽくゴリ押しで行ってみますか。


…。


ーそれから何分が経っただろうか。


体感で殴打数が一万回を超えたところで、唐突に合成音声が私の脳内に鳴り響いた。


{熟練度が一定に達しました。スキル「物理攻撃Lv.1」を獲得しました。}


おおお!

マジか!


物理攻撃ってあれだよね!

攻撃力上げるやつだよね!


このタイミングでいっちばん役に立ちそうなスキル出てきますか!


まあこんなにガンガンやってたら神もノイローゼになるわな!


ふぉっほい!


試しに触手を軽く動かしてみる。


ヴォンッ


軽く振られた触手は、空気を切り裂き、鋭い音を響かせた。


おお?

おおお。

おおおお!


これは確実に早くなってる!


多分!


あんまり差がわかんなかったってのが正直な感想!


ふふふ。

クマムシよ。

お前が栄華を誇っていられたのもほんの一瞬だったなぁ!


今更暴れてももう遅い!

くらえええええ!


カッキィィイイイイイイイイイイイイン


そうしてスキルの力をその身に宿した私の刃は、一瞬前よりも確実に早く、鋭く加速し、あっさりと、いやもう清々しいほどにあっさりと、弾かれた。


…はぁ?


いやいやいやいや。


…はぁぁ??


え?

え?

え?


…硬くね?

いくらクマムシだからって、この硬さは異常じゃね?


これがもしゲームとかだったら九割のプレイヤーが台パンするレベルの硬さだぜ?


さっきサラッと見たこいつのステータスにあった大量の耐性や結界とかいう明らかな上位スキルがあったし、そのせいなのか?


つーかそれをこのさっき生まれたばっかの細菌に倒させんの?


人生ハードモードすぎでしょ。


まぁ、細菌に転生させて空気中のゴミやら微生物やらを殺させるなんて糞ゲー、誰もやらないだろうけど。


あーもう!

こうなったらちりも積もればなんとやら、ゴリゴリ押し押し精神でやっていくっきゃねぇ!


…。


体感的には数時間。


実際には数分しか経ってないのかもしれない。


こんなに時間の流れがわからなくなっているのは、さっきから全く同じ動作を延々と繰り返しているからだ。


ガンガンガンガンガンガンガンガンと、聞いてるだけで頭が狂いそうな騒音を奏でながら振り下ろされる刃は未だクマムシの頭に傷一つつけず。


クマムシはクマムシで最初の方こそガーガー吠えて私を振り落とそうとしてきたけど、私には自分は殺せないと悟った瞬間、なんの反応も示さなくなった。


お陰で今私の足場はとても安定している。


それがより私の脳内時計を加速させ、時の流れを遅くさせる。


…あれ?


命を賭して殺しにかかってくる相手に、格下だろうが格上だろうがなんだろうがこっちも命を賭して応対する。

って言うあの掟はどうしたんですかねぇー。


私はその格下のうちにも入らないってか?


畜生。


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