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第16話 新たな出会いと再会①

 驚きで叫びそうになるも、さっきのモカさんの話がよぎって孤児院の子供達にバレたらダメ! と口元を咄嗟に手で押えた。


 視線を逸らしたら危険って……それは野生動物の話でしょ!

 パニックでひとりツッコミまで仕出かす始末。ピンチな時こそ慌てず冷静にならなきゃ――って、冷静になれず逃げようとして崖から落ちた私が言っても説得力ないし!

 と、とにかく冷静に観察してこの人が敵か味方か探らないと!


――全身黒ずくめな口元を黒い布で覆ったいかにも暗殺者(アサシン)なこの青年は――あの開いてる窓から入ってきたって事だよね?

 

 観察しようと青年に視線を移すと、青年にジッと見られ思わずビクッと怯えた私から青年は視線を逸らし、腕を組んで壁に寄りかかり目を閉じた。


 私は今だ! とばかりに観察する事にした。

 組んだ腕を見ると、二の腕部分から血が出ている。


 あれ? 崖上で見た時は怪我してたかな? あの時も視線を逸らしたらダメと思って目を見てたから……。


 たしか、あの人『……あ』って何か言おうとして走ってきて――その直後、私は足を踏み外した。あの高さから落ちてどこも痛くないって事は、誰かが助けてくれた以外ない。


――あの時そばに居たのは、この人しかいない。


「……あなたがたしゅけてくれたんでしゅか?」


 青年は私の質問に目を開けて、ジッとこっちを見て黙って頷いた。私を助けてくれた人とわかって、さっきまでの怖さが少し(やわ)らぐ。


 モカさんは確か()()()さんがここに連れて来たって行ってたよね?


「……かいとしゃん?」


 そう呼ぶと、青年は明らかに目を見開き驚いてると思った。

 青年が口元の黒い布をズラすと、人形の様に無表情で感情を読み取る事は難しいながらも、整った素顔が現れ――クールなイケメン! 何この世界! イケメンと美女しかいないの!? と、今まで出会った人の姿が浮かび思わず内心叫んでしまった。


「……カイト……でいい」


 私の動揺に反して、まるで寝起きのようなぼんやりとゆっくりした口調でボソッと喋った。

 

 最初暗殺者(アサシン)だと思った見た目の怖さに反して、ゆっくり口調でぼーっとしたイケメンの素顔というギャップが楽しくて自然と口元が緩む。

 いくら無表情とはいえゆっくりな口調は気が抜けて、何だかもう怖くないと思えてしまう私は単純なのかもしれない。

 

「かいと、たしゅけてくれてありがとー」とニッコリ笑うと、カイトの目元が微かに細くなって、微かに口角も上がった。


 微笑んでくれたのかな?

 微かな変化だけど、そんな気がした。微笑んでくれた事で更に警戒心もなくなり、カイトのそばに近付き「きじゅみしぇて?」とカイトを見上げると、カイトは無表情で首を傾げつつも傷が見やすいように床に座ってくれた。


 二の腕の傷が目立つけど――あの崖から落ちてこの程度の怪我で済むなんて……どうやって助けてくれたんだろう?


「……いまなおしゅね!」


 不思議に思いながらも、血が出て痛そうだから早く治してあげるべくカイトの二の腕の傷に手をかざして癒しの力と、破れた袖を修復する為に願いの力を使う。

 白い光がカイトの傷を治すだけでなく、破れた服の袖も元通りになって、無表情のカイトもさすがに驚いているのか私をガン見状態だ。


「――今のが癒しの力ですか?」


 突然初めて聞く男の人の声がして私がビクッと反応すると、カイトが無表情のまま窓の方へ視線を移し、私もその視線を追うように窓の方を見ると――窓の外から窓枠に手を添え部屋を覗き込む金髪で緑色の瞳のこれまた容姿端麗な青年がいた。


 ほんとにイケメンしかいないの!? と思いつつ、あれ? ここってそういえば何階? なんて考えていたら、その金髪のイケメンはふわっと部屋の中に入ってきた。


 え!? 宙に浮いてる!? メシスくんには背中に羽があって飛んでたけどこの人にはなく、思わず「とんでりゅ!」と驚きを隠せず声に出してしまった。


「……これは魔法です」

「まほうー?」


 金髪イケメンの【魔法】という言葉に絵本の内容が浮かんだ。


 光の神メシアと闇の神メシスが村人に授けた【魔法】

 その村人はその後、王になったってお話だったから――魔法を使える金髪イケメン(この人)はその子孫さん?――って王の子孫って王族じゃん!


 人生初の王族との対面に緊張して固まる。


「ふっ……百面相したかと思ったら固まって……随分わかりやすい神だな。俺が王族とわかってビビったのか?」


 口調が砕けたものに変わってクスクス笑いだした王族の青年を前に、私はポカンと呆気に取られた。

 それでも私の思っていた事を言い当てられ、それで()()()()()()と笑われたのかと思うとなんだか複雑な心境になる。


「ふっ……ほんとわかりやすいな」


 王族の青年はクスリと笑って私の頬をつついた。プスッと頬から空気が抜け、私が無意識に頬を膨らませて拗ねていたんだと気付き、サーと血の気が引く。


 うわー! 王族に向かって頬を膨らませるなんて!

 私は慌てて頬に手を当てる。


 でも怒る素振りもないし、喋り方も王族っぽくない親しみやすい話し方にしてくれたし良い人なのかも! 若いし王子様かな?


「そういえば、まだ名乗ってなかったな。俺はこのチョコランタ王国の王のビターズ・チョコランタだ。ビターでいい」

「おうしゃま? びたーしゃん?」


 随分若い王様だと思った後、()()()というどこかで聞いた名に表情が固まる。


 たしか、モカさんの息子さんの名前じゃなかった? って事はモカさんも王族で()()()()!? つまりモカさんの旦那さんは()()()!?


 あれ? たしかモカさん孫がいるって――じゃあビターさんこの若さで子持ち!? モカさんとビターさんが並んでもお似合いな美男美女カップルな見た目なのに……モカさんって何歳なの?


 衝撃な事実の連続に思わずクラっと倒れそうになったのをカイトが支えてくれた。


「そんなに驚く事か?」


 ビターさんは、そう言ってまた百面相してふらついた私を見てクスクス笑った。


 まだ頭が衝撃事実に混乱していた私は「……なんしゃい?」と、気になって思わず出てしまった言葉に室内は静まる。


――ハッ! やってしまった! 王族に自己紹介も無しにいきなり歳を聞くってありえない!


「ちが、ちがうの! じゃなくて、ちがうんでしゅ……」

「……っ……ははは……ほんと面白いな」


 私が動揺しすぎて言葉使いも壊滅状態で声も体も小さく縮こまると、ビターさんは笑いを堪えきれず笑い出し、言い終えた後もまだクスクス笑っている。


――ビターさんは笑いすぎた気持ちを落ち着けるように息を吐いてから、(ひざまず)いて私の手を取り「……メティー様、他にも何か気になる事はございますか?」と微笑む。


 突然の王族らしい振る舞いと、まるで背後に花を背負ったような美しい微笑みに私がドキッと動揺して焦ると、ビターさんはまた笑いを堪えきれず吹き出した。


 え! もしかして揶揄(からか)われたの? 年上の人、しかも王様に敬語で話されるなんて恐れ多くて落ち着かないのにひどいよ!


「……神に敬語を使われたらどう思うかわかって頂けましたか?」

「あ……」


 ビターさんはニヤリと意地悪な笑顔を見せた。

 ビターさんの一言に私は考えるように黙り込む。


「――ビター……揶揄(からか)うのも程々にしないと嫌われるよ?」


 聞き覚えのある声がした方を向くと、いつの間にか部屋のドアが開いていてサンセが立っていた。


 王様って言われてすぐ気付くべきだったのに相当動揺してたみたい。サンセの姿を見て、ビターさんがサンセが伝えておくと言ってた王様なんだと――やっと初めて会うビターさんとモカさんが私の名前を知ってた事が繋がった。

お礼が遅くなりましたが、ブックマークや評価ありがとうございます!

毎日誰かしら見に来て下さっているのに更新が遅くて大変申し訳ないですm(_ _)m

見に来て下さる方の為に頑張って書きます!

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