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永遠に  作者: もんじろう
4/10

4

 俺のバイクは西田の車の後ろを尾行がバレない距離でついていく。


 1時間ほど走って、車は山間部に入った。


 周りの車が減ってきたので、さらに距離を空ける。


 しかし見通しはよくなったから、見失う心配はない。


 西田は重松先生の所へ向かうはずだ。


 絶対に間違いない。


 根気強く尾行を続けると、西田の車は森の中にある一軒のログハウスにたどり着いた。


 俺はバイクを停めて、木々の間からじっと様子を窺った。


 西田は車を降りて、ログハウスに入っていく。


 まさかつけられるなんて微塵も思ってないようで、全く警戒してるふしはない。


 西田がログハウスの扉を閉めると同時に、俺は木の陰を出て走った。


 玄関の前に着く。


 身を屈めて、扉に耳を当てる。


 中から西田が動く音がする。


 俺は扉にあるガラス窓から、内部をそーっと覗いた。


 テーブルやソファーがある広々とした室内に西田が居た。


 こちらに背を向けてる。


 鼻唄を唄いながら奥へと歩いていく。


 西田の左側の壁に大きな鉄製の鍵が、ぶら下げてあるのが見えた。


 西田がそれを手に取る。


 そして階段を下りていくのが見えた。


 俺は扉を押してみた。


 開いてる。


 物音を立てないよう、細心の注意を払って中に入った。


 周りを観察する。


 2階のロフト部分へ上がる階段が眼に入った。


 俺はロフトへ移動して、下から見えない位置で身体をうつ伏せにした。


 そのまま、じっと待つ。


 10分ほど経つと地下に行く階段から西田が上がってくる気配がした。


 俺は動かない。


 突然、電子音が鳴った。


「もしもし」


 西田の声。


「はい。こっちは順調です。重松先生のパート10ページ上がりました。アシさんたちの方へ回しますね」


 うろうろしながら話してるのか、西田の声は近くなったり遠くなったりする。


「やる気はイマイチですね。最近ずっとそんな感じで…ええ、何とかなだめすかしてやらせます。はいはい。こっちへ来ますか? 新しい警備の人を3人も…良いですね! それなら安心です。分かりました。僕はこれからアシさんたちの所へ行きます」


 西田が電話を切った。


 どうやら重松先生はアシスタントたちとさえ、別々に作業してるようだ。


 そこまでして隠すとは、ふざけた奴らめ!


 しかし俺は諦めないぞ!










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