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永遠に  作者: もんじろう
3/10

3

 俺は間違いなく世界で最も「エタウイ」が好きだから、この由々しき事態を察知したのも1番だったはずだ。


 不安を胸の底で何とか誤魔化してるうちに、レオンとエリシアが…。


 絶対に言わない台詞を言い始めた。


 これには、すさまじいショックを受けた。


 あり得なかった。


 最初は少ない回数だった。


 それが回を追う毎に増えていった。


 2人の異常な行動はエスカレートしていく。


 レオンは弱音なんて吐かない!!


 最高にカッコ良くて強い心を持つ男だからだ!!


 エリシアは嫉妬なんてしない!!


 海のように大きな優しさを持つ女性だからだ!!


 何だ、これは!!


 いったい何が起こってるんだ!?


 俺はすぐに抗議を開始した。


 アンケートや手紙。


 何度も編集部へ送った。


 しかし返事は1回も来ない。


 俺以外のファンは気づかないのか、何も騒ぎは起こらない。


 これは大問題だ。


 しかも最悪だ。


 重松先生が、おかしくなってるのに編集者も日本中の奴ら、いや世界中の奴らも問題視してない。


 誰かが先生に注意しなければ「エタウイ」は、どんどん間違った方向へ進んでしまう。


 否。


 このままでは「エタウイ」は。


 死んでしまう。


 それだけは絶対に回避しなければならない。


 俺は決死の覚悟で悠久社の「エタウイ」を載せている雑誌編集部に乗り込んだ。


「重松先生に逢いたい」と告げると編集者たちは鼻で笑った。


「それは出来ません」なんて、ぬかしやがる。


 俺は重松先生に逢うまで動かないと座り込んだ。


 すると編集長が俺をにらみつけて「警察を呼びますよ」と言った。


 そこで俺は、はっとなった。


 ここで警察に捕まるのはまずい。


 いろいろと面倒なことになって、重松先生と逢うチャンスが、むしろ遠のいてしまう。


 何とか、冷静さを取り戻した俺は立ち上がって編集部を出た。


 もっと慎重に行動しないと。


 俺は次の手を考えた。


 何としても重松先生に逢わないと「エタウイ」を救えない。


 そこから2ヶ月間、俺は徹底的に編集部を見張った。


 編集者の奴らについても詳しく調べた。


 それで分かったのは「エタウイ」の編集担当が西田だということ。


 それと西田が頻繁に車でどこかへでかけていることだった。


 西田は1度出かけると2、3日、編集部に帰らないときもあった。


 かなり不規則な動きだ。


 俺は西田の車を尾行すると決めた。


 どこまで行くのか分からないので、入念に準備した。


 そして、ついに尾行を実行する日が。


 今日なのだ。



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