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Magical Reve  作者: 柏木桜
Chapter1 Magic book
3/151

三話 新しい世界

なんだろう…とても暖かい光…

誰だろう…そこにいるの…

ねえ…あなた誰…?ねえ…


「…っは!」

「…またあの夢か」


サーニャはたまに見る謎の夢を見て目が覚めた。

この夢は父親がいなくなってから見るようになり始め、夢の中にいる人物は知っているような気がするが表情が全く見えないせいで誰だかわからない。


ゆっくりと起きカーテンの隙間から外を見てみると空はまだ暗い。時刻はおそらく深夜二時くらいだろう。


ガタッ


「!?」


サーニャは暗闇から聞こえた物音に気づき、机の方を見るとロゼッタが机の上にある古びた本を読みたいから取るような感じではなく、盗むかのようにそろーりと手に取ろうとしていた。


「何してるんですか」


「!?」


ロゼッタは寝ているものだと思っていたサーニャの声で驚き本を落としてしまう。

サーニャは近くにあるランプに灯りを灯し、ロゼッタのことを見つめる。


「あっ…あー…おはよー…」


「何言ってるんですかまだ夜中ですよ。しかも本を盗もうとするなんて…」


「あっ…えっーと…バレた?」


「バレバレですけど…。その…気になったから聞きますけど、その本とロゼッタさんってなんか関係あるんですか?タオル取りに行った後、服乾いてたし…あなたは一体、何者なんですか?」


「あーそれもバレてたか…まあバレるか…」


ロゼッタは隠しても無駄だと確信した。


「そうだよ関係あるよ。私は魔法使いだしこの本は魔道書。でもこの村でそれ言ったら殺されちゃうから隠してたの」


家に入る時とは打って変わってロゼッタは真剣な顔で話す。


「昼間の雨も私がやったし…まあその後のことは考えてなくて雨宿りさせてもらったけど…」


サーニャはさっきとはあまりにも違うロゼッタに困惑した。


「でも、よく私の事魔法使いだとわかったね」


ロゼッタはどこか嬉しそうに言った。


「いや〜、私こんなんだから魔法使いだと思われないんだよね〜。みんなのイメージと真逆だから〜」


サーニャも魔法使いといったら暗く、フードを被っているイメージを強く持っており、ロゼッタとは真逆だが流石にあんな事が起これば少しは疑うのも無理はない。


「だからさー…。あっそうだ!」


「ねえ!私と一緒に旅しようよ!」


ロゼッタはサーニャをキラキラした目で満面の笑みで言った。


「えっ…」


「だってサーニャ、魔法使いになりたいんでしょ?店番してる時も退屈そうにしてたし読んでる本も魔法使いの事が書かれてる本が大半だし!」


「まあ…そうですけど…」


「私、サーニャに魔法教えてあげる!」


ロゼッタはドヤ顔で話した。

サーニャの行動は朝の段階から見られていたようだ。


だがサーニャは悩んだ。魔法使いになりたいけどこの店はどうする。

そして、一番は私なんかが魔法使いになれるのかだった。

魔法使いになる為にはかなり厳しい修行が必要な事ぐらいサーニャは知っており、この先の期待より不安の方が強かった。


「…ごめんなさい…少し考えさせてください…」


「…いいよ、何時間でも何日でも考えていいよ。」


ロゼッタは何かを察したかのようにサーニャの頭をポンポンと撫でソファの上に戻って寝た。


サーニャもランプの灯りを消し、ベッドに戻り寝ようとしたがさっきの話が頭によぎって眠れなかった。


翌日

昨日の嵐のような雨は嘘のように晴れていた。

そして夜中に悩んでいたのが嘘のようにぐっすり寝れて疲れがあまりない。

サーニャは外を見て昨日の事はやっぱり夢か…と思いソファを見ると寝相悪く、掛け布団を床に落として寝ているロゼッタがいた。


「はあ…やっぱり本当だったんだ…」


夢かと思った事が現実だと知り、何もしていないはずなのに一気に疲れが襲いかかる。


朝の身支度を済ませ日々の日課である店番をした。

客もいつも通り来るわけもなく、いつも通り店番をするが、今日は暇つぶしで何度も読む本を読む気になれない。

夜中のロゼッタの話がずっと脳裏に残っており、数ページ開くがすぐにパタンと閉じてしまう。


(はあ…私が魔法使いか…でもこの店どうしよう…。それに…魔法使いになれるのかな…。でも…ずっとここにいたらつまらない人生で終わるのかな…?)


嫌々やってる店ではあるが、いざ魔法使いになろうと言われると話は別だ。

この店は先祖代々やってきた店だ。

それにもし父親が帰ってきたらその時どうすればいいかわからない。


そんな事を考えていたら時間は早く進み夕方になっていた。店じまいをしようとしたその時ふと小さい時の自分を思い出した。


幼少期のサーニャは魔法使いの伝説などが描かれている絵本を仕事で遠くの村から戻ってきた父にプレゼントしてもらい、その絵本を大変気に入った。


父に「魔法使いになる!」と言うと、父は笑顔で「お前ならなれるさ」と言いサーニャの頭を撫でてくれた。


その数年後父は村の少し離れた森で魔法使いを助けたのがばれてしまい裁判にかけられた。

それ以来魔法使いになるという考えはサーニャの心の奥底に眠ってしまった。


「私…なんで悩んでたんだろう…。このタイミング逃したら一生魔法使いになれないじゃん!」


サーニャはロゼッタのところへ走る。

ロゼッタはもちろん寝ていた。

サーニャはロゼッタをたたき起こし、ロゼッタは起き眠い目をこすりつつ寝ぼけながら言った。


「うえぇ〜どうしたのサーニャ〜?ふわあぁ…」


「ロゼッタ!私を魔法使いにして!」


サーニャの言葉を聞いて少しポカーンとした後ロゼッタは寝起きの顔をパンパンと二回叩き眠気を覚ました。


「いいよ!お姉さんがやってやろうじゃん!」


ロゼッタは嬉しそうに自分の服を魔法で変えたが、やっぱり魔法使いらしくない明るめな格好だった。


「出発は夜中ね!準備しといてね!」


真夜中

サーニャは持っていくものが少なかったので、準備をすぐ済ませ、今まで住んでいた家を眺め別れを惜しんだ後ロゼッタと森の中へ進む。


「よし、ここでいいや」


森を抜けると開けた草原に出た。


「サーニャ、はい」


ロゼッタはサーニャに手を差し伸べ掴むよう言い、サーニャはロゼッタの手を掴んだ。


「しっかり掴まっててね」


ロゼッタがそう言うと小声で魔法を唱え二人は浮き始めた。

飛んでいる自分の姿に戸惑いつつ綺麗な星空と満月に見惚れていたサーニャにロゼッタは少し照れながら言った。


「あまり私が言う感じじゃないけどさ〜…」


「…ようこそっ、新しい世界へ!」




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