プロローグ
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行ったこともない場所がどんなところか、果たして想像できるだろうか?その場所の名前や地図帳の位置など、その場所に関連するなんらかの情報を少しでも持っていれば、見当はずれなイメージをもつことはないかもしれない。今はガイドブックやインターネットなどの情報ツールに恵まれているから、ある程度、想像することは可能だろう。そういう点では大昔の人のほうが現地にたどり着いたものの、想像していた場所と全く違った、ということは頻繁にあったに違いない。しかしだからといって、それが失敗だったということにはならない。なぜなら、逆に予想だにしない出会い、発見を得られる可能性があるからだ。これは代え難い人生の財産になる。自分であれこれ先入観を固めて食わず嫌いになってしまう危険性がないからだ。人は知りすぎるから臆病になる。そしてそれは、現代が抱える大きな問題で、ガイドブックやインターネットの情報が実は制作者の選別した偏った情報だ、ということに受け手が意外と意識していないことにある。映画を観ても人それぞれに感想が違うのに、誰かの個人的な意見に多くの人が左右される危険があるからだ。そう考えると、結局のところ現代も、太古の昔同様、実際に現地に行き、肌でその土地を感じてこないことには、やはり本当のところは分からないのかもしれない。