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転生システムに致命的エラーを発見してしまったのだが  作者: みももも
第零章

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山龍討伐一日目(幕間1)(8)

「それで、アウラ、日も暮れかけてきたんやが、今日はまだ調査するんか?」

「はい、先ほどラビさんから『山龍の巣穴になりそうな洞窟を見つけた』と連絡がありましたので、場所だけでも確認しておこうと思います。 まあ、本格的な調査は明日からということになりそうですが」


 ガストフと私の二人は再び、結界を避けながら森の中を移動しています。

 この結界は、内部に入ると逃れることが難しいようですが、境界がはっきりしているので注意していれば間違って中に入ってしまうということはありません。

 ラビさんから報告のあった『山龍がいそうな洞窟』というのも結界の外にあるようで、結界の配置図を頼りに遠回りをすれば、結界に触れること無くたどり着くことが出来そうです。

 ちなみに、結界の配置図を作ってくれたのもラビさんです。

 やはり、『ギルド』の職員というだけあってサポート系の能力は優秀ですね。


「まあ山龍なんて、そうそういるものでもないんですけどね。

 ですが、形式上だけでも調査しておけば、ペナルティは大幅に減りますから」

「確かに『最低限の調査でもペナルティが違ってくる』ってのはどこかで聞いたことがあるが、実際のところどれぐらい違うんや?」

「そうですね。 まあ、実際には最大でも4割軽減される程度でしょうか」


 『ギルド法』の魔術契約で規定されるペナルティは、契約ギルドの『総ギルドポイント』からの割合で支払われます。

 何もせずに契約違反した場合は総資産から『相手ギルド』に総資産の40%、『ギルド』には10%が支払われるため、合わせて総資産の50%を失うことになります。

 通常、多くのギルドでは大量のギルドポイントをストックしており、ギルドポイントを担保に借金をしていたりもするので、総ギルドポイントの50%を失うことは相当な痛手になるのですが、それは()()()ギルドの話です。


 これは、いまの『黄金』の状況だから出来る裏技なのですが、ですが、ちょうど今『黄金』はギルドポイントを税金として『ギルド』に納めたばかりで、手持ちのギルドポイントは10ポイント程度しか残っていません。


 なので『黄金』には借金も全くありません(というか、現状ではたぶんしようとしても出来ません)し、急遽ギルドポイントが必要になったとしても、最悪私の『個人ポイント』を『ギルドポイント』に返還すればすむ話なので、結局のところ何も問題ありません。


 まあ、つまるところ、今回の場合ペナルティがペナルティとして機能していないわけですが、微ポイントでも、悪徳ギルドにくれてやるのはもったいないので、調査だけはちゃんとしておこう。 というわけです。


 そうこう話をしているうちに、洞窟の目の前までやってきました。

 なるほど。

 確かに、人目のつかない場所にあり、奥深くまで続いていて「いかにも山龍がいそうな感じ」の洞窟のようです。


「それでアウラ、洞窟の場所は分かったが、今日はもう調査はしないんやろ?

 このまま帰るってことでええか?」

「いえ、日暮れまであと少し時間に余裕がありそうなので、『探査魔法』だけ使って使ってみることにします。 あと少しだけ待ってださい」


 確か、ラビさんの探査魔法を数枚カード化しておいたので、それを起動することにします。


<<探査魔法:起動しました>>

<<洞窟内の生命反応を探査します>>

<<洞窟内に100種類以上の動物の反応を確認しました>>

<<洞窟内に検索対象「山龍」の存在を確認しました>>

<<洞窟内に存在する「山龍」の個体数:約3000>>


「これは・・・、まさか本当に山龍がいるとは・・・」

「しかも、これ、『大量発生』っちゅうやつやないんか? 放置しておいたら山自体に悪影響があるで」

「そうですね。 ですが、この状況はこちらにとって好都合です。

 これならおそらく、状況を報告させすれば『ギルド』から『山龍の討伐許可』も下りるでしょう。

 一旦、精霊車に戻って準備を整えましょう! テンキさんとラビさんにも連絡を入れておいてください。

 明日の朝からは楽しい龍退治です」

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