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転生システムに致命的エラーを発見してしまったのだが  作者: みももも
第零章

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フードの中(5)

 その後、よく考えたら倉庫や書庫で魔法の実験をするのは危険なので、地上5階に新たに作ってもらった小部屋で、幾つかの魔法(炎魔法、氷魔法など)を試してみた。

 まあ、当然結果は、全ての魔法の攻撃力がゼロとなり、代わりに回復能力が付与されていたようだったわけだけど。


 燃え盛る炎に触れても暖かいだけで、凍てつく氷はひんやりとして気持ちい。

 ライアによると「『やさしさ』のスキルと『想力』のスキルとの相性が良すぎるため、軽い気持ちで魔法を使っても『やさしさ』で上書きされてしまうが。 だが、おそらく『明確な攻撃の意思』があれば攻撃はできるはず」らしい。


 まあ、確かに今まで本気で「攻撃しよう」と思って攻撃をしたことはなかったのだが・・・。



「チシロさま、何やら外の様子が少し騒がしいようです」

 次は何を試そうかと考えていると、マテラが不意に何かに気づいたように言った。

 マテラに言われたので窓から外を見るが、特におかしな様子はない。

 のどかな草原の風景が広がっているだけ・・・


「チシロよ、外というのは、『窓の外』ではなく、『フードの外』のことである。

 何やら、チシロのことを探している様子であるぞ」

 そう、フードの外ね。 し、知ってたし?

「で、そもそもフードからの出入りってどうやったらできるの?」

「それでしたら、地上1階に設置してある『転送魔法』の魔法陣から移動できますし、私やライアならこの場で転送魔法を使って移動することも可能です」


 ちなみに、物理的な出入り口もあり、マテラやライアも普段はそこから出入りしているが、出入り口はフードということになるので、フードよりも大きいものは転送させないと出し入れができないらしい。

 せっかくなので『転送魔法』の魔法陣を見てみたいという気持ちもあったが、どうやら外の様子が切迫しているようなので、マテラの魔法でさっさと移動させてもらうことにした。


「それでは、移動します。

 チシロさま、来た時と同じように、移動中は目をつぶっておいてくださいね」


 一瞬目をつぶり、「目を開けてもいいですよ」と言われて目を開けると、フードの中に入る前の宿の風景が広がっている。

 フードの中はずっと昼のように明るかったから気づかなかったが、すでに日は落ちて、部屋の明かりもつけていなかったので真っ暗だ。

 マテラが光魔法で部屋を明るくし、ライアが扉の鍵を開けると、


「チシロさ〜ん、やっと見つけました〜」

「緊急事態だぞ☆ 『赤き農民』の方からも説明があるみたいだぞ☆」

「と、いうことで〜、またさっきの会議室に戻りましょ〜」


 白黒姉妹が慌ただしく出迎えてくれた。

 「調査などの活動は明日から」という予定だったはずだけど、何やら緊急事態が起きてそうも言っていられなくなったらしい。

 休む間もなくすぐに次の行動ということになるのだが、不思議と疲れはない。

 なぜだろう・・・。


 ああ、回復魔法を浴びまくっていたからか。

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