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転生システムに致命的エラーを発見してしまったのだが  作者: みももも
第零章

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フードの中(4)

 再び1階を通り過ぎ、そのまま階段で2階に上る。

 2階は、ライアの言っていた通り倉庫になっているようで、採取した覚えのある草花や、採取した覚えのない石や木材などが、種類ごとに並べられている。

 マテラが管理している地下や地上1階と比べると、綺麗に整理されていて、これだけのものが溢れているというのに、どこに何があるのかがわかりやすくなっていた。

 そして、パッと見ただけで1階よりも2階のほうが広いことがわかる。

 当然のように、『空間拡張』の魔術が使われているのだろう。


 そのまま2階、3階はちらりと見るだけで通り過ぎ、4階の扉を開けると、明らかにそれまでの部屋とは雰囲気が違うことがわかる。


 魔法陣、魔法陣、魔法陣。


 右を見ても左を見ても、壁や床や天井にまで。

 いたるところに幾何学模様や文字のようなものが描かれており、机の上に並べられた紙にもやはり様々な図形が描かれている。


「こ・・・、この部屋は、一体?」

「うむ、チシロよ。 ここはいわば『魔術書』である」

「チシロさま、ここにはいつでも発動できる状態の魔術を用意してあります。

 ここにある魔術は私やチシロさまでも使えるように設定されていますので、チシロさまも魔術の練習をすれば自由に使えるようになりますよ」


 魔術を使う際、現場で一から術式を構築しているのでは時間がかかりすぎるため、あらかじめ記述しておいた魔法陣や呪文に魔力を流し込むことで発動することが一般的で、サポートブックの『魔術士を目指すには?』の項目にも、『まずは魔術書を手に入れましょう』とある。

 サポートブックには、簡単な『魔術書の作り方』の説明も書いてあったので、マテラとライアの二人で実験しているうちにこの部屋ができあがったのだとか・・・。


「チシロさま、せっかくなので魔術の練習をしましょう!

 チシロさまは『魔力』のステータスが高くないので、今回は『魔力』の代わりに『魔水』を使いますね」

「うむ。 チシロは、『魔力操作』のステータスも高くないゆえ、魔法陣に直接魔力を込める形式がよかろう。

 この辺りの術式が練習には適切かの」


 そう言って、マテラは地下室から液体の入った瓶を魔術で取り出し、ライアは机の上に並べられた紙から一枚選んでこちらに渡してくれた。


「いいですか、チシロさま。

 そもそも『魔術』とは『魔力』という『力』に『形や属性』を与えることで『世界に影響を与えるもの』です。

 この『魔水』は、ほぼ純粋に近い魔力の塊で、非常に安定した状態にあります。

 そして、ライアの魔法陣には『魔力を活性化する効果』が描かれていますので、その魔法陣の上に垂らされた魔水は、『活性化した魔力』の状態に遷移します。

 試しに魔法陣に『魔水』をかけてみてください」

「なるほど。 こうかな?」


 マテラに言われた通りに魔法陣の中心に瓶に入った水をかけると、水は一瞬で蒸発し、魔法陣の上に『空間がゆがんだようのモヤモヤ』が広がったが、そのもやもやは数秒で霧散してしまう。


「チシロさま、今のモヤモヤが、『活性化した魔力』です。

 あの状態のモヤモヤに対して、『方向性』を与えることで現象を起こすことができます」

「うむ。 先ほどは、何も指向性を与えなかった故に霧散したようであるな。

 チシロよ、ためしに次は活性魔力に『光れ』と念じてみるがよい」

「わかった。 やってみる」


 魔法陣の描かれた紙に、再び水をかけ、今度は電球に光が付く様子をイメージしながら『光れ』と念じてみる。

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