山龍討伐一日目(幕間2)(5)
「遅い遅い遅い遅い・・・・
あの双子は、一体、どこで、何をしていやがるんだ・・・・・」
双子の戦闘屋に「戻ってこい」と伝えてかれこれ一時間はたっただろうか。
「こちらに向かう」というメッセージは確認できたが、それ以来一切の連絡が途絶えている。
まさか、逃げたか? いや、奴らもプロだ。 さすがにそんなことはあるまい・・・。
「親方! 例の双子が戻ってきました!」
「遅い! 一体何をやっていたんだ!?」
「いえ、それが、双子が言うには『道に迷っていた』そうです」
道に迷った?
『プロの戦闘屋』が、道に迷った?
「まあ、いい。
今後の方針について直接話をしたいから、会議室に案内してやってくれ」
「承知しました、親分!
ところで、双子が言うには『森で出会った人たちも一緒に来ている』そうです!
そちらはどうしましょうか!?」
森で出会った人?
「誰だ、そいつら? 人数は?」
「はい、見える限りだと20人ほどかと・・・。
あ、あと、やつら、赤いコンパスの旗を掲げています!」
なるほど、『探索ギルド』か。 予定よりもだいぶ早く到着したみたいだな。
おそらくだが、道に迷った間抜けな双子を案内したのも彼らだろう。
「ちょうどいい。 そいつらもまとめて会議室に案内しとけ!
仕事の説明をして、早速働いてもらうことにしよう」




