山龍討伐一日目(15)
少し小高くなっている場所から『探索ギルド』が集まっている場所を見下ろせるということで、まずはそこから見下ろして観察してみる。
さすがに、こちらは3人(マテラ、ライアを合わせても5人)で、相手は集団となると、ある程度警戒するのは仕方が無いと思うんだ。
ということで、高台から観察してみると、マテラとライアの事前情報通り、全員合わせて20人ほどの集団だった。
周囲に警戒している感じの人が3人。
楽しそうにテントを立てているのが5人と、面倒くさそうに手伝っているのが3人。
残りの面々は、何やら不思議な機械をいじっていた。
おそらくだが、ライアの言っていた「結界の解析」をする機械の設定でもしているのだろう。
ここからみた感じでは、特に危険な感じはしない。
「話しかけるべきかやめとくべきか。 話しかけるとしても誰が話しかけるのか」と思ってシロヒメとクロヒメの方をちらりと見ると、無言でコクリと頷かれた。
なるほど。 自分がやれって事ね。
「こんにちは〜! そちらに向かっても、よろしいですか〜?」
相手に不信感を与えないよう、たまたま見かけたような風を装って声をかける。
距離が離れているせいで、大声を出さないと相手に気づいてもらえないのだが、近くからいきなり声をかけると相手も動揺してしまうし、これぐらいでちょうどいいだろう。
声をかけると向こうもこちらに気づいたようで、何人かが「おーい」と声を上げながら手招きをしている。
どうやら、受け入れてもらえたようだ。
出来るだけあえて目立つようにしながら近づいていくと、機材の操作をしていたうちの一人が作業を切り上げてこちらに向かって来た。
「よう! こんな森で何してんだ?
いやいや、言わなくてもわかるさ。 あんたらも迷子だろ?
ったく、好き勝手に結界のパターンを切り替えやがって。
おかげで手間が増えてしょうがねぇ。 なぁっ!? そう思うだろ?」
「あ、いえ、別に僕らは迷子っていうわけじゃ・・・」
あれ?
いや、でももしかして、「道がわからない」という意味では自分達も迷子なのか?
というか、村についても帰る道筋がわからなかったら結局迷子になるわけか。
「はい〜。 私たち姉妹も道に迷っていましたけれど~、こちらのチシロさんに案内してもらっているところなのです〜」
「正確には、チシロさんの『妖精』のライアさんに案内してもらっているんだぞ☆」
「ほう、なるほど。 妖精・・・つまり、『妖精使い』の方でしたか。
確かに、妖精ならこの結界を無効化できても不思議じゃねぇな!」
「え、ええ? まあそういうことです。
歩いていたらなにやら困っている様子でしたので、せっかくですから一緒に村まで案内しようかと思いまして」
「村ってのは、おそらくこの辺りのギルドの拠点のことだな!?
そいつは助かるぜ! ぜひお願いしたい!」




