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転生生活1日目(6)

「次に、こちらが援助金の300Gゴールド・・・です」

 ラビさんはそう言って、硬貨の入った袋を同じく机の引き出しから取り出した。


「こちらは『転生者』の支援金に・・・なります。

 返済の必要はありませんので、安心して・・・ください」


 いきなりお金を渡されて戸惑っていると、ラビさんが事情を少し話してくれた。

 なんでも、この世界では転生者をサポートする制度が数多くあり、援助金もその一環ということらしい。


 ちなみに、「1Gにはどれぐらいの価値があるんですか?」と聞いてみたところ、

「チシロさんの出身地とのレートですが、・・・だいたい、『1G= 1000えん』 のようです」

 と、資料を読みながら説明してくれた。


 1Gが1000円で、300Gということは・・・「約30万円!?」


 転生者全員に30万円も配って、財政は大丈夫なのだろうか。

 RPGで言ったら、初期費用だけである程度の上級装備が揃えれてしまうぐらいの金額では!?

 まあいい。 もらえるものはもらっておこう。


「お金がなくなっても、最初のうちはサポートも受けられるので、安心してください・・・。

 いえ、ですが、無駄遣いはなるべくやめてください・・・・・ね」

「あ、はい。 気をつけます。 それで、お金稼ぎとかはやっぱり、クエストとかをこなす感じですか?」


「ええ・・・、よくご存じで。

 そういった情報も全てまとめた資料がこちらの、『サポートブック』・・・です。

 こちらの書類をお渡しすれば、転生手続きは終わりになります・・・。 何か質問は、ありますか?」


 そう言って渡してきたのは辞書ぐらいの分厚さのある一冊の本だった。

 ぱらぱらと中を見てみると、クエストの受注、発注の手順や、この世界での常識なども書かれているようだ。


 ひとまずは、何も質問はない。

 というか、まだ「何がわからないかもよくわからない」状況なので「今のところ質問はないです」と答えると、ラビさんは「そうですか・・・。 それではこれで、転生手続きは終わりです。 ・・・・・転生生活、頑張ってくださいね」と、ほほえみながら応援してくれた。


 ラビさんの一仕事終えて安心したような笑顔は、それはもう可愛かったけど、最後までぴょんぴょん跳ね回って主張してくる耳(複数形)が全てを台無しにしていた。



 その後ラビさんは、応接室を出てギルドの入り口まで自分を案内してくれると、最後に

「まずは、サポートブックに目を通してみてください。

 分からないことがあったら、私か『ギルド』の受付の方に、気軽に聞いてくださいね・・・」

 とアドバイスを残して建物の中に戻ってしまった。


 はじめは「システムの管理者に文句を言ってやろう」とか思っていたけど、思ったより待遇は良さそうだし、まあ許してやることにしよう。

 それに、ラビさんもどうやらただの『担当者』で、システム自体に詳しいわけではなさそうだし。

 まあ、もし今後『システムを作った人』に出会うようなことがあったら、そのときは一発殴るぐらいのことはしてやろうと思うが・・・。


 まあ、そのことはひとまず置いておくことにして。

 とりあえず、まずはラビさんのアドバイスに従って、攻略本サポートブックを落ち着いて読むことにしよう。

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