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転生システムに致命的エラーを発見してしまったのだが  作者: みももも
第零章

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山龍討伐一日目(2)

 やばい。


 道に迷った・・・。

 あたりを見渡しても木、木、木、木、木。

 多様性もクソもない、一種類の木が生えているだけの光景は方向感覚を失わせ、進んでいるのか戻っているのかもわからない状況にさせる。

 最悪なことに、魔力濃度が濃いせいか、ステータスカードの通信機能まで使えなくなっているらしい。


「どうしよ。 マテラ、どうしよ、これ。 どうしようもなくね? 詰んでね?」

「申し訳ありませんチシロさま・・・。 私が、気軽に『森に入ろう』なんて言ったばかりに・・・」

「いや、マテラだけが悪いんじゃない。 むしろ最終的に決定したのは自分なわけだし。

 それよりも、どうしよう・・・・・」


 自分は、いつも割と軽率な行動をとる方だという自覚はあるけど、今回ばっかりは仕方がないと思うんだ。

 まあ言い訳にしかならないんだろうけど、こうなった経緯を少し話すと、こんな感じだった。


〜回想〜

「チシロさま、私たちも探索に向かいましょう。 とは言っても、どこに向かいましょうか」

 テンキとラビが、飛行魔法(の、ようなもの)で飛び上がって、目に見えない距離まで一気に飛んでいくのを見送ると、マテラが話しかけてきた。


「そうだなぁ。 ナイフの試し切りとかもしたいから、程よいモンスターが出るぐらいの場所がいいんだけど、これだけのどかじゃなぁ・・・。

 となると、やっぱり森かなぁ」


 そう思って森の方を眺めると、昼間だというのになんだか嫌な雰囲気がある。

 「エルフの森」とも呼ばれているらしい最初に入った森にはなかった、他者を寄せ付けないような空気を感じるのは気のせいなのだろうか・・・。


「でも、なんか禍々しいオーラが出てる気がするんだよなぁ。 あの森」

「ですがチシロさま、この森の危険度ランクは『D以下』だそうです。

 こっちの世界に来て最初に入った森は『B〜A』なので、それより二つもランクが落ちています。

 それに、この山は標高が高いほど危険度も高いらしいので、麓のあたりの探索に止めておけっば、間違いはないはずです」

「そうかなぁ。 なんか、どうにも嫌な予感がするんだよなぁ・・・。

 変な魔物に襲われたりしなきゃいいけんだけど」

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