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転生システムに致命的エラーを発見してしまったのだが  作者: みももも
第零章

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山龍討伐一日目(1)

 精霊車でただひたすらナイフに想いを込めて、想力ゲージが「10/10」となった時、ちょうどアウラがアナウンスで「そろそろ着陸します、念のため衝撃に備えてください」と言い、衝撃に備えていると電車が滑らかに停止するぐらいの軽い揺れとともに精霊車は着陸した。


 どうやら目的地に到着したらしい。


 ちなみにその間、ナイフに想いを込めながらラビやテンキと話をしたり、「暇だから探検してくる」と言って飛び出したマテラがアウラに見つかって追い回されたり、おやっさんがなぜか、自分のことをを「先輩」呼ばわりしてきてびっくりしたぐらいで、他に特筆すべきようなことはなかった。


 精霊車が完全に静止したのでアウラがドアを開くと、そこに広がっていたのは「まさしく田舎」という感じの田園風景だった。

 木造建築の宿舎みたいな建物が一応あるのだが、それ以外に建物は見当たらない。

 旅館の背後には頂上が雲に隠れるぐらいの高い山がそびえ、その向かいには地平線まで続く何かの畑が続いている。

 この光景を一言で表すとしたら、「アメリカンサイズの里山」と言ったところだろうか。

 山龍どころかスライムの一匹も見当たらない、平和でのどかな光景が延々と続いていた。


 メンバー全員が精霊車から出てきたのを見計らって、宿の前に立っていた青年がおやっさんに話しかけた。


「ようこそ、農業ギルド『赤き農民』のギルドホームへ。

 私は、当ギルドのサブマスターを務める、ディーノです。

 失礼ですが、ギルドマスターはあなたでよろしかったでしょうか?」

「いやいやいやいや、ワイはマスターどころか、一番の下っ端でっせ。 うちのマスターはこちらのお嬢さんになりやす」

「初めまして。 『黄金』のギルドマスター、アウラ・ヴァシランドです。

 こちらは、ギルドメンバーのチシロとガストフ、助っ人で協力していただくテンキさんと、ラビさんです」

「そ、それは失礼しました。 アウラさん、よろしくお願いします。 みなさんも、よろしくお願いしますね。

 それではアウラさん、細かい打ち合わせもありますので中へどうぞ」


 やっぱり、貫禄的に一番マスターっぽいのはおやっさんだもんね。

 ディーノさんが間違えるのも仕方ないよね。

 アウラとおやっさんは、社交辞令的な挨拶をすませると、依頼人についてギルドホームの中に入っていった。



 精霊車で移動している最中に聞いたはなしなのだが、

 討伐クエストは基本的に、調査 → 対処 →完了(報告)の手順で行われ、調査だけで短くても1週間ほど、長ければ数か月ほどの期間をかけて行われらしい。

 ゲームなどのように、敵がいる → 倒す → クリア! とはいかなくて、となると戦闘能力以上に情報収集が重要になるらしい。


 話し合った結果、交渉ごとはアウラとおやっさんが二人で行い、他三人とマテラはあらかじめ周辺を調査する。

 という感じで情報が集まるまでは役割分担をすることに決まった。

 まあ、調査と言っても特に初日なんかは情報が何も無い状態なので、実際のところは自由行動に等しいのだが。


「俺はラビちゃんと一緒に飛行魔法で上から畑全体の様子を見ておくから、チシロはマテラちゃんと一緒に適当に探索していてくれ!

 ま、大丈夫だとは思うが気をつけて。 危ないと思ったらすぐに助けを呼べよ? 飛んで向かうから」

「そうですよ・・・チシロさん。

 今のところ『山龍』は確認されていませんが、獣や魔獣に襲われることもあるかも・・・しれません。

 くれぐれもお気をつけ・・・ください」

「テンキもラビさんも心配しすぎですって。

 大丈夫ですよ! 自分に戦闘能力が無いことはよく分かっていますから、無茶はしませんって。

 まあでも念のために、危険な場所には近づかないようにしますね」

「そうです! それに、チシロさまには私がついていますから! お二人はお二人の仕事に集中してください!」

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