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赤銅革命計画(56)姫選抜戦(0)

 もみじさんは、クリンさんとの討論が終わったらすぐに退散した。

 そのあとクリンさんによる演説が行われて、たいしたトラブルもなくいよいよ投票期間が終了になった。

 あの二人の討論会が良かったのか、それとも単に最終日まで悩んでいただけなのかはわからないけど、最終的に投票率は95%を超えてしかもクリンさんは断トツで一位の投票率だった。

 普通の選挙と違って姫選抜戦は、ここからさらに投票者全員を交えたバトルロイヤルがあるから、投票率=結果というわけじゃないんだけどね。


 姫選抜戦が始まると、投票者全員が別空間に転送されて、そこで試合が行われることになるらしい。

 自分は投票が始まった時点で『赤銅』に所属していなかったので、投票権がなくて直接戦闘に参加することはできないし、試合自体が別空間で行われる関係上、スパイとして他チームに潜り込むみたいなこともできそうにない。

 『黄金』の自分が『赤銅』の革命に首を突っ込むのは避けたほうがいいかも・・・って考えてたんだけど、キューちゃんとかウィスさん、マシロとかはそれぞれ『赤銅』の一員としてそれぞれ参加してるみたいなんだよね。

 こんなことなら自分も遠慮せずに参加するべきだったのかも。

 まあ、クリンさん自身「この革命は『赤銅』によってなされるべきだよ!」と言っていたから、「手伝いたい」と言っても簡単に『赤銅』に入れてもらうことはできなかっただろうけど・・・。


「それじゃあみんな、明日からは頑張って・・・」

「おう。 チシロも今までサポートありがとな! 戦争が終わったら、パーっと飲みに行こうぜ!」

「いいね。 その時はもちろんロフィのおごり? だったら行くよ!」

「え? なになに、ロフィにぃちゃんのおごりでお茶会やるの? だったら私も混ぜて!!」

「げぇ、アディ、お前はダメ! お前のお茶会は下手な飲み会とは比べ物にならないぐらい金がかかるだろ!? 仮に俺が奢るとしても、アディは自腹な!」

「なにそれ、ひっどーい! テンキにぃちゃん、ロフィにぃちゃんが意地悪する! テンキにぃちゃんからもロフィにぃちゃんに言ってやってよ!」

「いやアディ。 これはロフィの方に一理ある・・・」

「それともテンキにぃちゃんが奢ってくれる?」

「よし。 ロフィお前この前、大規模クエスト達成してたよな。 金はあるんだろ。 奢ってやれよ・・・」

「テンキ、なんでそれ、お前が知ってんだよ! てか、あれは俺の金だからどう使おうと俺の勝手だろ!」

「なになに? みんなでお茶会やるの? だったら私も混ぜてよ! 手作りのお茶菓子持ってくから!」

「「「!?」」」

「いやいやいやいや、クリンねぇさんにそんな、いや別に、ねぇさんの危険物(クッキー)を食べたくないってわけじゃないんだけど?」

「そそそ、そうだぜクリンねぇちゃん。 お茶菓子なら私が用意するから、ね。 考え直して。 ねぇちゃんの悪夢(クッキー)は、またの今度にしよ!」

「そ、そうだ! この際だから、お疲れパーティーはチシロに手配してもらおうぜ! もちろん費用は俺たちで負担するからさ! っつうことで、クリン師匠のナニカ(クッキー)はまたの機会ってことで!」

「そうだね・・・。 確かに、選抜戦が終わったらさすがに疲れてるだろうから、そうしてくれるたほうが助かるかも。 チシロちゃん、悪いけどお願いできる?」


 みんなの反応を見た感じ、相当やばいのだろうか。

 今までじゃれ合っていた三人が、クリンさんの一言で一気に団結してしまった。

 さすがはクリンさん。 料理の腕もSランク級(相当やばい)ということなのだろう。 それも恐らくは悪い意味で。


「まあ、みんなが戻ってくるまでは暇だから、なにかしら用意はしておくよ。 楽しみにしておいて」

「やったー! チシロにぃちゃん、最高のお茶会を期待してるよ!!」

「やったぜ! チシロ、さすがはクリンねぇさんのライバルにして、Sランク冒険者なだけあるな! 最高の料理を期待しているぜ!」

「チシロ・・・お前、あまり無理はするなよ。 別にこいつらの期待に応えたって、いいことないからな?」


 なんか、アディさんとロフィさんがやたらと期待を膨らませているところ悪いんだけど、まあテンキのいうとおりあまり考えすぎずに、適当なお店を予約しておけばいいでしょ。

 二人も本気で言っているわけじゃないだろうし、姫選抜戦は数日に及ぶ激闘が予想されるだろうからその間に今のやり取りなんて忘れちゃうだろうしね。

 姫選抜戦では、各個人の防御結界を破壊された人から順に元の空間に転送されてくることになっているんだけど、クリンさんのチームは最強の一角だから少なくとも数日は戻ってくることもないだろうし、その間自分は結構暇だから、多少店にこだわるぐらいにしてもいいんだけど・・・。


(でも、こっちの世界の店に詳しいわけでもないし・・・)

(チシロさま、こういう時こそ諜報部隊を活用するのがいいのでは?)

(・・・なるほど! じゃあ早速、ステータスカードで連絡を入れておいて!)

(では、明日の早朝に全員集合するよう伝えておきましょう)

(だね。 せっかくだから最高の環境を用意して、革命を終えたみんなに楽しんでもらえるようにしよう。 諜報部隊のみんなには『これは最重要ミッションだ』みたいに伝えておいて)

(かしこまりました、チシロさま!)

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