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赤銅革命計画(24)ベルン(4)

「さあこっちだよ! まずはこのエレベーターに乗って。 都市に来た人にはまず一番に紹介したい場所があるんだ」

「わかったでち。 エレベーターってことは、展望台でち?」

「そうだよ、察しがいいね。 今から向かっているのは『赤銅』の中で一番高い場所で、都市全体を見渡せる場所だよ。 びっくりすると思うけど腰を抜かさないでね。

 あ、そうだ。 今更だけどベルンさんって、高い場所とかは大丈夫?」

「大丈夫・・・でちが、そんなに高いんでち?」

「そうだね・・・。 少なくとも私が知ってる限りここより高い展望台は知らないかな。 誰かが実際に測定したわけじゃないんだけど、多分世界で一番高いんだと思うよ」

「それは楽しみでち!」


 もみじさんに案内されて建物の中を移動してエレベーターに乗ったうちは、「世界で一番高い」という言葉にワクワクしてたでち。

 それにしても、建築技術はどちらかというと『赤銅』じゃなくて『黒鉄』の領分だと思っていたでちが・・・そういえば『赤銅』って何が得意なんでち?

 うちのイメージの『赤銅』は、クエストを達成して生計を立ててるような脳筋ギルドってイメージだったんでちが、この都市に来るときに使った謎技術を見る限りそうともいえない気がしてきたでち・・・。


 チーン。


「さあ着いたよ、この扉の先が展望台だ。 高い場所だから気をつけてね」

「わかったでち!」


 ガチャリ。


 もみじさんが扉を開けると、ヒュルリと外の風が入ってきたでち。

 どうやらうちが想像していたような「室内の展望台」ではなくて、直接外と繋がっている「建物の屋上」といったほうがニュアンスとしては近いかもしれないでち。

 先導してくれるもみじさんの後を追いかけて扉の外に出て景色を眺めると眼下には巨大な都市が広がっていて・・・

 都市の下には、綺麗な青空(・・)が広がっていた・・・でち!?


「ベルンさん、ようこそ『赤銅』の空中都市(・・・・)、通称『緋色(ひいろ)』へ」

「これは・・・たまげたでち」


 アウラのカードから出した浮遊城を思い出すでち。

 だけど、アウラのカードはオンちゃんの支えがあってようやく安定する浮遊城で、それだけでも確かにすごいんでちがこの都市はあれとはそもそも規模が違うでち。


 この都市には現在『赤銅』の関係者だけが数千人以上暮らしていて、そのほとんどが『研究者』か『権力者』らしいでち。

 この都市では最新の魔法技術が日夜研究開発されていて、そのほとんどはこの都市外への持ち出しや都市外での使用を禁止されていて、「この都市の内側と外側では魔法の技術に10年以上の開きがある」とも言われているらしいでち。


「うち、今まで『赤銅』って脳筋ギルドだとばかり思ってたでち・・・」

「まあ、あながち間違ってもないんだけどね。 でも要するに、脳筋達(彼ら)が使っている武器って実はほとんどがここで開発されたもののダウングレード版だから。 ここにいる人たちって、『赤銅』グループ全体で見ると本当に1%にも満たない数なんだけど、同時に『赤銅』の99%を支えているのはここにいる人たち・・・なんだよなぁ」

「1%は99%のために、99%は1%のために・・・ってことでちね!」

「う〜ん・・・どうだろ。 でもまあ間違ってはいない? ・・・う〜ん?」


 でも、言われてみれば確かに『赤銅』の人たちは実力以上の武器を持っている人が多い気もするでち。

 今まではなんとなく「『赤銅』はお金持ちなんでち」って考えていたでちが、実際は試用品の性能テストで貸し与えられてただけなんでちね。

 ここにきただけでなんとなく、『赤銅』の強さの秘訣が見えてきた・・・気がするでち!!

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