精霊車・運転席にて(1)
「お、いたいた、アウラさん・・・であっとるよな?」
「そういうあなたは、宿の主人の・・・たしかガストフさん、でしたっけ? 私に何かご用です?」
「いやなに、見かけないからどこにおるんかなぁ。 と、思うてな。
精霊車は自動運転やと思ってたんやが、運転席でなにやっとるんや?」
「ええ、自動運転と言っても目的地の指定などは必要なので。 それに、この車を動かすのも久しぶりなので、安定するまでは運転席で見守っておこうかと」
「さよか。 数年たったところで大丈夫やと思うが・・・。
まあ、そういうことなら暇やろ。 アウラさんや黄金のことを少し聞きたいんやが、ええやろか」
「ええ。 答えられることなら答えますよ? ですがなんで突然?」
「いやなに、『これから手伝いをしようってギルドのことが気になる』ってだけの話や。
『弟子の所属するギルドがどんなところか、師匠として調べておきたい』ってのもあるがな」
「マテラちゃん!? あなた、マテラちゃんのお師匠様なのですか? 私もガストフさんのことを『師匠』って呼んでいいですか?」
「いや悪いが、アウラさんを弟子にする気は無いんでな。
そもそも弟子なんて取る気は無かったんやが、あの子を見た瞬間によくわからんオーラみたいなもんを感じたんや・・・。
あんな見た目や性格でありながら、まるで数百年は生きてきたかのような風格を。 あれは只者ではないで・・・・・。
しかも、物覚えが良くて、薬作りのセンスもバツグ・・・おっとワリィ、うちの弟子の話は今はどうでもいいことやな。 それよりも、アウラさんのことや。
そもそもアウラさんは、黄金に入ってどれぐらいになるんや?」
「そんなことよりも、マテラちゃんの話を・・・・・。
はぁ〜。 真面目な話なのですね。 わかりました。
今まで誰かに話したことはなかったのですが、マテラちゃんのお師匠様になら話すことにします。
ですが、そういったことを話す前にまず、『ギルド:黄金』の成り立ちから説明しなくてはなりません。
長い話になるかと思いますが、ご容赦を・・・」




