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転生システムに致命的エラーを発見してしまったのだが  作者: みももも
第零章

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転生生活三日目(6)

<<想力>>

 上限値:99

 速度評価:1/5

 効能評価:2/10

 特異性評価:4/5

 概要:

  ・条件付き物質強化または弱体化ステータス。

  ・『想い』に関するステータス。

  ・溜めに必要な時間が長く、得られる効果が曖昧なため、取得する人間は少ない。

 獲得可能スキル:

  ・想乗(想力値30以上)

 総評:

  ・想力値を30まで上げることで、特異スキル「想乗」を獲得可能となる。

  ・想力値を31以上に上げても、それ以降に獲得できるスキルは存在しない。

   (転生システム・デバッグモード で確認済み)

  ・想力値が上がると、想乗の効果も上昇するが、上昇率は微々。

  ・『想乗』が獲得できる30まで上げ、残りは他のステータスに割り振ると良い。


「もしかして・・・チシロさん、『想力値』に30以上・・・?」

 出てきた想力の項目を読み終わると同時に、ラビが申し訳なさそうにこちらを見ている。

 ええ、そうですとも。 その「まさか」ですとも。

 さて、どこまで話すか。 極振りしてしまったことまで話すのか、()()()()()しまったことまで話すか。

 バグ報告とかは怖くて言いづらいし、責任とか取らされたくないし・・・。 かといって、あまり嘘はつきたくないし・・・。

 迷ったけど、結局は「極振りしてしまったこと」だけ話すことにした。


「ええ。 実は、最大値まで想力に振ってまして・・・。

 そのせいで、他の基本的なステータスはからっきしなんです(笑)」

「それは・・・すいません。 担当者の私がその場にいなかったばかりに・・・・・」

「「「・・・・・。」」」


 重苦しい空気が流れてしまった・・・。 これが嫌だから今まで黙ってたんだよなぁ・・・。

「いや、ちょっと待てよ?

 その点だが、この説明を見る限りだと、『単に解明が進んでいないだけの項目』っていう可能性が高い。

 だよね? ラビちゃん?」

「あっ! はい! なので、一応、まだ可能性は残って・・・ます!

 それに、情報提供をすれば、報償もおそらく・・・」


 テンキとラビが言うには、転生システムの攻略本(?)は、未だ作成途中の状態で、有益な情報を提供した人には結構な額(ものによっては一生遊んで暮らせるぐらいのお金)も配られるらしい。

 第二の人生とはいえ、取り返しはつかないので、結局は多くの人が安定をとってしまい、マイナーな項目の研究はほとんど進まないのが現状なのだとか・・・。

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