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転生生活三日目(1)

「いやぁ~! こっち来ないで~!」

「マテラちゃん〜! 待って〜!」

 翌朝、目がさめると、魔法で高速飛行するマテラと、それを追いかけるアウラがいた。

「チシロさまっ! おはようございます、お助けください!」

 マテラはローブを魔法で操って、自分の肩にかけると即座にフードの中に飛び込んだ。

 朝から元気なことだ・・・。


「おう、お客さん、お目覚めですかい? 今朝方お客さんを訪ねて、二人ほどいらしやしたぜ。

 今は、食堂で朝食を食べてるはずなので、挨拶にでも行ってくだせぇ」

 宿の主人もこちらに気づいたのか、挨拶を交わしてくる。

 どうやら、ラビとラビの知り合いは、すでに宿についているらしい。

 ラビの知り合いというのがどういう人なのかも気になることだし、早速挨拶に行くことにしよう。


「おはようございます、ラビさん。 と、テンキさん?」

「おはよう・・・ございます。 今日はどうぞ、宜しくお願い・・・します」

「おはよう! ラビちゃんの言ってた『担当してる子』って、チシロのことだったんだな。 今日は宜しく!」


 ラビの知り合いというのは転生初日に街まで案内をしてくれたテンキさんだった。

 なんでも、『ギルド』で仕事の完了報告を行っていたところをラビに捕まったらしい。

 テンキさんにラビとの関係を聞くと「彼氏彼女とかそういうものではなく、単なる『仕事仲間』だ」と言っていた。

 実態がどうなのかはわからないが・・・。


 テンキさんがこの世界に転生した時の担当者もラビだったらしく、「転生時に色々お世話になった恩があるから頼まれごとを断りづらい」と愚痴を言っている。

 世の中、広いようで狭いものだ。


 しばらく、自分とラビとテンキさんの三人で朝食をとりながら話をしていると、宿の主人とアウラも食堂に集まったので、全員の自己紹介を行うことにした。

「こちらは、僕の転生担当者のラビさんと、ラビさんの仕事仲間?のテンキさんです」

「よろしく・・・お願いします。 ラビと、申し・・・ます」

「よろしく! テンキです。 所属ギルドは『赤銅』で、主にハンターをやってます!」

 二人は無難な挨拶をして、頭をさげる。


「で、こっちが(一応)うちのギルドマスターのアウラと、宿の主人の・・・宿の主人?」

「アウラです。 よろしく!」

「宿の主人をやっている『ガストフ』や! 別に、呼びたいように呼べばええが、これからは仕事仲間なんやから、いつまでも『宿の主人』じゃあ、寂しいやろ。 なんか考えてくれ!」


 宿の主人にも名前があったのか・・・。 いやあたりまえか。

 それにしても、呼び方か・・・。 『ガストフ』なら、ガッさん、ガストーさん、とーさん? 父さん!?


「じゃあ、次からは『おやっさん』って呼ばせてください! あと、これからは自分のことも『お客さん』扱いしないでください!」

「わいはお客さ・・・チシロさんの親父ではないわけだが・・・。 まあ、それでええか」


 おやっさんは、口ではいろいろ言いながらも「おやっさん」と呼ぶことを許してくれたらしい。

 べ、別に? 故郷の親が恋しいとか、そういうんじゃないし?


「チシロさま、私、私を忘れてます! 私もみんなに紹介してください」

 フードから顔だけ出した状態で何を言っているのやら・・・。

 まあ仕方ない。 紹介はしてやろう。


「あと、こいつは自分の相棒の『マテラ』です。 まあ、妖精みたいなもんなんで、あまり気にしないでください!」

「初めまして、テンキさん、ラビさん。 私はマテラと申します。 チシロさまの『お守り』です! 以後、宜しくお願いしま・・・」

「あぁ〜、マテラちゃんだ〜! マテラちゃんはね、すごいんだよ!? 体の傷だけじゃなくて、私の心まで癒してくれたんだから!」


「ひぃ・・・。 チシロさま、いい加減あれはなんなんですか? 病気なんですか? どこか壊れてるんじゃないですか?」

 いや、聞かれても知らんがな・・・

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