幕間1(2)
クエストの選択から受注までは、アウラに任せることにした。
アウラが選んだクエストは以下のような物だ。
<<山龍 討伐>>
ランク:ゴールド以上
人数:5〜150人
ポイント:150ポイント
報奨金:1万2000G
概要:山龍が畑を荒らして困っています。なんとかしてください。
お試しってレベルじゃねぇ気がするのだが・・・。
「アウラ、これ、本当に自分達だけで達成できるの?」
「ええ。 山龍ぐらいなら、難易度的に問題はありません。
問題はそれよりも、人数制限です。 最小人数が5人というのが厄介でして・・・」
ちなみに、アウラがこのクエストを選んだ基準は「人数制限が一番ゆるい」ということらしい。
「『人数が足りない』っていうことは、ギルドメンバーの勧誘でもするっていうこと?」
「いえ、それもいずれは必要なのですが、今回は外部委託しようと思います。
街の掲示板なんかで募集をしたいのですが・・・。 チシロさんの知り合いに、街で顔が広い人っていませんか?」
知り合いって・・・、転生してきたばかりだと言っただろうに。 いや、待てよ?
「顔が広いのかどうかは知りませんが、転生担当になってくれた人なら一応名前ぐらいはわかりますが・・・」
「転生担当者ということは、どこか大きなギルドの職員でもあるはずです。
掲示板に募集を貼り付けることはできるはずですし、うまくいけば戦闘職の知り合いもいるかもしれません!
早速連絡を取ってみてもらえませんか?」
「連絡をとれ」と言われて、手紙でも書くのかと思ったら、ステータスカードの機能に連絡機能があるらしい。
試しに、連絡先の一覧を確認してみると、
<<連絡可能者>>
ラビ
宿の主人
アウラ
村長
連絡可能者に登録される条件は「ステータスカードを持っている者同士で会話をすること」らしく、当然ラビも連絡可能者に入っていた。
ラビの名前をタップすると、
<< ラビ の呼び出しを行いますか>>
[はい] [いいえ]
と、表示され、[はい]をタップすると<<しばらくお待ちください>>という画面が表示される。
そのまま数秒待つと、ラビに通話が繋がった。
「はい、ラビです。 チシロさん、一日ぶり・・・ですね。 転生生活は順調、ですか?」




