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転生システムに致命的エラーを発見してしまったのだが  作者: みももも
第零章

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転生生活二日目(8)

「お願いです・・・この村をギルドの拠点にする許可をください」

「いやぁ、そうは言われてもねぇ。 何せこんな小さな村だから、手続きとかもわかんねぇし・・・」

「そういう面倒なことは全部こっちでやります。 皆様に迷惑はかけませんので」

「だけどねぇ、ほら? 形式上は私が村長なんてことになってるけど、だからって私一人で決めるわけにもいかんでしょ」


 ある程度薬草の採集なども終わったので集落に戻ると、アウラが村の偉そうな人(村長さん?)と交渉をしていた。

 「リスクはこちらが負う」「集落のルールには従う」といった約束事や、「集落にとってのメリット」などについて話しているようだが、難航しているようだ。


「チシロさま、どうします? 加勢しますか?」

「いや、あの様子じゃあ火に油を注ぐことになりそうだ。 一旦宿に戻って、宿の主人と話をしよう」

「そうですね。 依頼が達成されたことも伝えなきゃですしね」


 そういうことで自分達は一度、宿に戻って主人と話をすることにした。


「おう! お客さん! 依頼の方は完了しましたかい?」

「はい。 念のために確認ですが、こちらのクリスタルを交換するということでよかったですか」


 クリスタルをフードから取り出して宿の主人に見せると、主人はちらっとだけ確認して

「あ、ああ。 思ったよりも魔力がたまっているようだが、それで間違いねぇ。

 そのクリスタルは受け取ってくだせぇ。 まあ、不要ってんだったら買い取ってやらんでもねぇが・・・。

 それよりも自分で使うか、それか、売るにしてももっと相場のいい場所で売った方が得だしな」

「ありがとうございます。 それで、ひとつお願いがあるのですが・・・」


 アウラと出会った経緯や、アウラが「ギルドの拠点をこの集落に置きたい」と考えていることまでをかいつまんで話す。


「ゴールドランクのギルド!? そいつぁすげぇ。 お客さん、いいギルドに入れましたようで」

「いえ、それがそうとも言えないのですが・・・。 それはさておき、なんとか村長さんに口添えいただけないでしょうか。 どうやら拠点にするための交渉にもめているようでして」

「あぁ〜・・・。 確かに、あの村長は頭がカテェからなぁ。 よっしゃ!任せとき!」


 言うや否や、主人は宿を飛び出してアウラと村長の元に向かっていく。

「チシロさま、やっぱり、この宿を選んで正解でしたね」

「ああ。 いつか恩返しができたらいいんだけどね」

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