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転生システムに致命的エラーを発見してしまったのだが  作者: みももも
第零章

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転生生活二日目(6)

 アウラは、懐から一枚のカードを取り出し、そのカードを破り捨てると、煙と共に椅子が2脚と机が1脚現れた。

 このカードは一種の『魔法道具』で、しかもアウラの自作らしい。


 アウラが出してくれた机の上にサンドイッチを並べ、3人でサンドイッチを食べる。

 サンドイッチのパンの質は、前世とほとんど変わりなく、肉入りや卵入り以外にも、よくわからない果物や肉とも魚とも言えない何かなど、バリエーションにも富んでいたが、どれもとても美味しかった。

 これは、異世界の食文化にも期待が持てそうだ。


 アウラの『マテラ依存症』も、時間が経つと落ち着くようで、初めは「マテラちゃん、マテラちゃん、はい、あ〜ん」と言ってマテラに構いっきりだったが、今では「ハァ〜。マテラちゃんはかわいいな〜」と、眺めるだけにとどまっている。

 本気で嫌がっているようなら止めようかとも考えていたが、マテラの方も拒絶はしていない(無視はしている)ので、しばらく様子を見ることにしよう。


 そんなこんなでサンドイッチを食べ終わると、アウラが突然、真剣な眼差しで問いかけてきた。

「チシロさん、チシロさんはどこかの『ギルドに』所属していますか?」

「え、ギルド? 今のところどこにも所属していないはずですけど・・・」

「よかった! それならぜひ、私のギルド、『黄金くがね』に入ってくれませんか?」


 詳しくはなしを聞くと、アウラは現在『黄金』というギルドのギルドマスターを務めているらしい。

「せっかくの縁なので、これからも一緒に頑張りましょう」などと言っていたが、本当の目的は「マテラと一緒にいたい」といったところだろう。


「アウラさん、『ギルド』に入るのは別にいいと思うんですが、『黄金』ってそもそもなにをするギルドなんですか?」

「あ、そうでしたね。 こちらが、現在のギルドの情報になります」

 そう言ってアウラは『ギルドカード』というアイテムを取り出し、[詳細表示]をタップする。

 すると、ホログラムの画面が現れてギルド情報が表示された。


<<黄金>>

 ギルドマスター:アウラ・ヴァシランド

 ギルドメンバー:1    人

 ギルドランク:ゴールドランク

 主要産業:なし

 資金:120G

 実績:

   15年前:ギルド創設

   15年前:ギルドメンバー5人突破

   15年前:ブロンズランクに昇格

   14年前:シルバーランクに昇格

   13年前:ギルドメンバー10000人突破

   13年前:ゴールドランクに昇格

   12年前:プラチナランクに昇格

   12年前:ギルドメンバー100000人突破

   11年前:マスターランクに昇格

   10年前:ギルドメンバー1000000人突破

   3年前:ギルドマスター交代

   2年前:プラチナランクに降格

   2年前:ギルドマスター交代

   2年前:ギルドマスター交代

   2年前:ギルドマスター交代

   1年前:ゴールドランクに降格

   1年前:ギルドマスター交代

     ・・・省略(ギルドマスター交代の実績が30近く並んでいる)

   1年前:ギルドマスター交代


 これ、あれだ。

 特に後半は壮大なばば抜きだ。

 3年ぐらい前に何かがあって、そこから一気に落ちぶれていったやつだ。


「アウラさん、これ、いったい何があったんですか?」

「いやぁ〜、なんか気づいたら、ギルドメンバーが私一人になってたんだよね!」

 ギルドのことにかまわないで一人で旅をしていたら、いつの間にかギルドか解散していたらしい。


「チシロさま、『ギルド』に加入しておけば、『ギルド名』を使って商売もできますし、悪いことではなそうなのですが・・・」

「いやマテラ、逆に考えるんだ。 『ゴールドランク』ってのが高いのか低いのかは分からないけど、ある程度熟成したギルドを好き勝手に出来るんだ。 と」

「ですがチシロさま、サポートブックによると、『ゴールドランク』を維持するのには年間で何万Gも納めないと駄目みたいですよ?」

「お願いっ! これからはまじめにギルド運営も頑張るから! 苦労はかけさせないから!」


 その後、アウラとの押し問答が続いたが、最終的に

 ・嫌になったらすぐにやめてもいい

 ・ギルドとして行動を束縛はしない

 ・あ、でも、マテラちゃんと一緒に遊ぶ時間は欲しいかな・・・

 というような感じで『黄金』に加入することにした。


 ギルド加入の手続きは簡単で、アウラが持っていた「ギルドカード」というアイテムに「ステータスカード」を重ねると、コンソールが現れ

<<ギルド(黄金)に参加しますか?>>

[はい][いいえ]

 と表示されているので[はい]をタップする。


<<ギルド(黄金)に参加しました>>

 画面が切り替わり、数秒立つと画面は消失する。

 これで、自分は正式に『黄金』のメンバーの一員となったらしい。


 ギルドカードをアウラに返しつつステータスカードを確認すると、色は相変わらず透明のままだが、名前の横に黄色い文字で『金』と書かれたマークが追加される。

 このマークが『黄金』のメンバーである証明で、このマークをタップすればギルドの詳細情報をいつでも確認できるらしい。

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