転生生活二日目(5)
装置の台座にはまっているクリスタルは真っ黒で、いかにも「魔力 こもってます!」みたいな雰囲気を醸し出し?ている。
真っ黒なクリスタルは軽く引き抜くだけで簡単に外れ、そこに透明なクリスタルを置くと「カチッ」と音がして外れなくなった。
アウラが言うには、自分がクリスタルを交換した瞬間から「森に充満していた魔力がどんどん希薄になっている」らしい。
これにて宿の主人の依頼は完了のようだ。
フードの中にクリスタルを入れると、マテラが顔だけ出して話しかけてきた。
「チシロさま、作業は無事に終わったようですね。 お手伝いできなくて申し訳ありません」
「いや、特に難しい作業でもなかったし、問題は無かったよ。 それより、これからどうしよう。 薬草集めを再開する?」
「それもいいのですが、チシロさま、そろそろいい時間ですし、お昼ご飯にするというのはどうでしょう」
「そうだね。ちょうど開けたいい場所だし、このあたりでお昼ご飯にしようか。 よいしょっ」
「あぁ〜!マテラちゃんだ~」
マテラをフードから引っ張り出すと、アウラが即座に反応した。
マテラは「余計なことをするな」みたいな視線でこちらをにらみつけているけれど、だってアウラの反応を見るのも楽しいし、
それになにより、これは自分の直感だけど、マテラとアウラはなんだかんだで仲良くなれると思うから。
「アウラさん、僕とマテラはこれからこのあたりで昼食をとろうと思うのですが、よかったらアウラさんも一緒にどうですか?」
「おっひるごはん~♪ 一緒に食べよ! ほ~ら~。 マテラちゃんも一緒に食べようよぉ~」
「はぁ~。 ・・・もういいです。 フードの中で食べるというのも寂しいですし、一緒に食べることにしましょう」
「やった~! マテラちゃんと一緒にお昼ご飯だ~!!」




