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アルツナイ(6)

「キューちゃん、顔色・・・っていうか、だいぶ辛そうだけど、大丈夫?」

「? 確かに少し体調が悪いでち。 大丈夫だとは思うでちが・・・、そんなに顔に出てたでち?」

「いや、『顔に出てた』っていうか『想力に出てた』って感じだったんだけど。

 とにかく、辛いならあまり無理はしないでね」

「まあ、都会に来たら体調が崩れるのはいつものことだから大丈夫でち」

(うむ。 どうやらここは、魔力の濃度が薄いだけでなく、魔力が非活性化しているせいやもしれぬな)

(チシロさま、ライアの言う通りのようです。

 魔力が非活性化しているので、魔物の発生は抑えられていますし、魔法の威力も全体的に低下しているようです。

 もしかしたら人間は、戦闘の必要のない場所では無意識のうちに魔力を非活性化させているのかもしれませんね)


 非活性化した魔力は、魔力と同じ様な性質を持ちながら直接エネルギーに変換することができないと言う性質を持っているらしい。

 また、非活性魔力に触れていた魔力は少しずつ非活性化していく性質も持っているようだ。

 ちなみに、非活性魔力は主に植物によって活性魔力に還元されるらしい。


 普通の人には空気中の魔力が非活性化していたところで害はないのだけど、キューちゃんは空気中からも魔力を取り込んでいるせいかその影響が大きいようで、今はまだ表面上はまだ大丈夫そうにしているけれど、このままだと出会ったときの様に倒れてしまうかもしれない。

 なんとかしたいところなのだけど・・・。

 あ、そういえば


「そういえばマテラ、このローブには確か、魔力を中和する結界効果とかもあったよね」

(ありますよ、チシロさま。 このローブは外界からの魔力攻撃を遮断し、常に魔力を『安定状態』にするように調整されています)

(うむ。 ついでに、フードの中で活性化させた魔力を結界内で対流させておるゆえ、装着者(チシロ)は常に新鮮な魔力を吸っておることになるな)


 また知らん間に知らん機能が取り付けられてる・・・。

 とまあ、それはともかく


「キューちゃん、とりあえず街にいる間はこのローブを身につけておいてよ。

 あとマテラとライア、似た様な感じの結界機能を持ったキューちゃん用の装備も作ってあげることってできる?」

(はい。 一応試してはみますが・・・)

(うむ。 おそらく、理論的には可能なはずである。

 ただしそのためにはいくつか必要な素材があるゆえ、「今すぐに」というわけにはいかぬのだが・・・)

「と言うことで、キューちゃんにはこのローブを貸しておくことにするよ。

 流石にまた倒れられても困るしね!」

「ありがとう・・・でち。

 あ、すごいでち! このローブを身につけた瞬間、体が楽になったでち! まるで森の奥深く、伝説の秘境にいた時みたいな感じでち!!」


 伝説の秘境? なんだその例えは・・・。

 ともかく、これでキューちゃんの体調の問題も解決したみたいだし、安心して活動できると言うものだ。


「オンちゃん、でもこのローブ、私にはちょっとぶかぶかでち。 裾を引っ張っちゃうでち・・・」

(あ、大丈夫ですよ、ベルンさん。 少ししたら・・・ほら)

(うむ。 『サイズの自動調整機能』は正常に働いておる様であるな)

「すごいでち! オンちゃん、すごいでち! サイズが一瞬でぴったりサイズになったでち!!!」

「あ、うん。 そうみたいだね」


 また知らん間に知らん機能が取り付けられてる・・・。

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