転生生活二日目(1)
窓から差し込む朝日で目がさめる。
いつもと同じように目が覚めると、窓の外には大自然が広がっている。
ほのかに漂う森の匂い、朝から元気な鳥たちの鳴き声。
都会の日常では感じられない様子に「ああ、昨日の出来事は夢では無かったんだ」と感じさせられるが、同時に、爽やかな朝は「これから頑張ろう」という気持ちにさせてくれる。
そういえば、マテラはどこへ行ったんだろう。
部屋を見渡してみると、机の上に書き置きがある。
「調合室にいます。 マテラ」
書き置きに従って調合室に向かうと、そこではマテラが一人で各種機械と格闘していた。
「おはよう、マテラ。何してるの?」
「チシロさま、おはようございます。
昨日の夜、チシロさまがお休みになられてから、せんせ・・・宿のご主人に薬の作り方を聞いたので、色々と試しています」
先生?まあいいや。
「へぇ。 で、薬はできそうなの?」
「はい。 まだ調合で色々試している途中ですが、試作品の回復薬はいくつか完成しました。
あと、代わりに宿のご主人から、クエストの依頼を受けました」
「クエスト?どんな?」
「はい、この森の魔力管理を行っているシステムの保守作業です」