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クエスト(6)

 マテラの案内で向かったのは、森の中にある『エルフの集落』と呼ばれる村だった。


 人口が10人程度の小さな村で、特に住民の種族が『エルフ』ということではない。

 というのも、この森自体が古くから『エルフの森』と呼ばれており、エルフの森に存在する集落だから『エルフの集落』と呼ばれているとのことだった。

 ちなみに、なぜこの森が『エルフの森』と呼ばれているのかは今となってはよくわからないらしい。


 この村では主に狩猟や薬草などの採集と、材木の輸出などで生計を立てているらしく、観光地というわけでもないので泊まれるような宿屋は一軒しかなかった。

 自分たちのように「森で一泊していこう」と考える人は、おそらく結構少数派なのだろう。

 小さいとはいえ、宿屋があっただけ運が良かったのかも知れない・・・。


「へい、いらっしゃい。 お客様は、一名様ですね!」

「あ、いえ・・・ああ、はい。 一名です」

 宿の扉を開けると、宿主から声をかけられ、とっさに「一名」と答えてしまったが、よく考えればマテラを含めて二名だったのだろうか。

 それとも、マテラは人数に含めないので正解だったのか?


「チシロさま?どうかしましたか?」

「いや、さっき人数を聞かれた時にマテラを人数に入れなかったことを気にしていないかなって思って」

「ああ、そんなことですか。

 私としても、下手に目立つのは避けたいですし、この場合はむしろそれで正解でしたかと・・・」


 マテラ自身もフードの中から「気にしなくて良い」と言ってくれたことだし、まあ宿主にばれたらそのときはあきらめて二人分の料金を払えば許してもらえるだろう。

 宿の主人は特に怪しむ様子もなく「これがお客さんの部屋の鍵でっせ」と言って鍵を渡してくれたので、主人の案内に従って部屋のある2階に向かうことにした。


 階段を上ると部屋は4つあったけど、人の気配はない。

 宿の主人の部屋は一階にあるようだし、実質2階を貸切状態のようだ。

 こんな何もない集落に宿泊する人はそうそういないということなのだろう。



「まず、チシロさまが採取した草のうち、鑑定して『薬草』と認定されたのは2つだけでした。

 こちらが、鑑定結果のコピーになります」


 マテラは部屋につくなりフードの中からハガキサイズの紙を2枚取り出した。

 ステータスカードに魔力を込めると、こういう『鑑定結果用紙』を作成することも可能らしい。


 鑑定結果を見ると、植物の写真とともに簡単な説明が書いてある。

<<薬草(N00007)>>

 効果:他の薬草とブレンドすることで、回復薬を作成可能

 鑑定額:800本につき1G


<<薬草(R00105)>>

 効果:他の薬草とブレンドすることで、回復薬を作成可能

 効果:すりつぶして水に溶かすことで、回復薬を作成可能

 鑑定額:1本1G


 おお、二つ目の薬草は1本で1G、つまり千円相当ということになるのか!

 あれだけ苦労して草集めをした甲斐があったということか。

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