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転生システムに致命的エラーを発見してしまったのだが  作者: みももも
第零章

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森の探検(2)

「こ、こんにちは?

 えっと? ・・・確か、アウラをぶっ飛ばしてた人(?)、ですよね・・・」

「アウラぁ・・・? あ〜、それってあの時の『人間』のことですかぁ?

 そうですぅ。 あの時『人間』をぶっ飛ばしていたのがあたしですぅ。 よかったぁ、あたしのこと、覚えていてくれたんですねぇ」


 うん、覚えていたというか、なんとなく印象に残っていたというか。

 というか、思い返してみればあれは人間が熊に吹っ飛ばされている状況だったわけで、いくら結果的にアウラが無事だったとしても、そんな簡単に忘れられる光景でもないというか・・・。

 とにかく、やはりこのクマのような生き物はあの時のクマ本人であるらしい。


「はあ、やっぱりそうでしたか。

 というか、なんか包囲されているようなのですが、無事に帰ることはできるのでしょうか・・・」

「あらぁ? もしかして包囲に気づいていられますぅ?

 みんな、気配も魔力も消しているはずなのですがぁ・・・。 さすがあたし達のご主人ですぅ」



 確かに、周りの『視線』からは音も聞こえないし、直接姿を見ることもできていない。

 最近少しわかるようになった『魔力感知』でも何も感じない。


 だからこそこちらのことを監視しようとしている『想い』が目立つ。

 というか、動物達が気配や魔力を隠しすぎているからなのか『普段なら感じるレベルの魔力』すら感じられないので何れにせよ違和感は感じていたと思う。

 どちらかというと、静かすぎて逆に怖い。


 まあ、こんなことは出会ったばかりの(くま)に話してもしょうがないし、おいておくことにしよう。

 というか『ご主人』って・・・。

 別に主従契約を結んだ記憶もないし、これ以上結ぶ気もないんだが・・・。


「それで、自分に何かご用でしょうか。

 この森では色々と採集させてもらってますし、簡単な用事なら手伝ってもいいですが」

「いえいえぇ、そんなそんな。

 今日はぁ、『お近づきの印』を持ってきただけですぅ。

 ということでぇ、はいどうぞぉ」


 そう言って彼女くまが渡してきたのはビー玉のようなキラキラ光った透明な石だった。


「そ、それはそれは、ご丁寧にどうも?

 って、これは一体なんですか? 確かに綺麗ではあるんですけど」

「それはぁ、簡単に言うとぉ、『森の住人達に認められた証』みたいなものですぅ。

 いまちょうどご主人が作っているおうちの真ん中あたりに埋めておくといいと思いますぅ」


 埋めるものなのか・・・。

 と言うことは、『範囲型の魔法』とか『結界』みたいなものだろうか。

 まあ、実際に埋めるかどうかはみんなに相談してからになるけど、『くま』からも周りの『視線』からも相変わらず『悪意』は感じられないので、たぶん信じても大丈夫だろう。


 ビー玉を受け取ると、周りの視線は遠ざかって行き、くまも「用事は終わりましたのでぇ、今日はこれぐらいでもう帰りますぅ」と言って森の奥に帰っていった。

 時間にすれば数分間のことだったけど、知らない視線に包囲されたながら『龍より強いくま』と会話をしたプレッシャーから、疲れがどっと出てきた。


 今日はもう帰って休むことにしよう・・・。

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