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山龍討伐二日目(蛇足)(解決編)(15)

 ライアが地面に並べてくれた武器の中からシロヒメさんとクロヒメさんがその中から適当に武器を選び出そうとすると、それを見ていたアウラが


「白黒ばっかりずるい! 私もマテラちゃんの武器が欲しい!」

 と、子供のように駄々をこね出した。

 ついさっきまで「私は(武器なら用意しているので)大丈夫ですけどね」って言ってた気がするんだけど・・・。

 まあ確かに、別ギルドの協力者シロヒメさんとクロヒメさんに武器を貸しておいて、アウラに貸さないというわけにもいかないか。


 自分としては、正直どっちでもいい。

 マテラとライアが納得するならアウラにも貸してもいいと思うし、まあそんなことは言わないような気もするんだけど。


「チシロさま、どうしましょう。 武器はいくつかありますので問題はないのですが・・・」

「うむ。 サンプルが多いに越したことはないのであるし、渡しておけばよいのではないか?」

「と、いうわけなので、アウラも好きな武器を持っていっていいですよ」

「あ、ありがと〜! 私、マテラちゃんにもらった武器は大切にするね。

「わかりました。 もうそれでいいので、早く選んでください。 あと、大切にしなくていいのでとにかく使ってください」


 アウラは「うん。 わかった。 大事にするね。 肌身離さず持っておくね」と言いながら、數十種類の中から一本の木刀を選び出した。

 数ある武器の中からあえて一番攻撃力の低そうな木刀を選んだのは「やっぱり遠慮しているのかな」と思ったけど、マテラはやや渋い顔をしながら「よりにもよって、それを選びますか・・・」と呟いている。

 どうやらアウラが選んだのは、見た目通りの『ただの木刀』というわけでもなさそうだ。


 後で教えてもらったことなのだが、アウラが無造作に選んだのはマテラが想力の実験のために原木から削り出した木刀だったらしい。

 確かに言われて見ると、ほかの武器とは漂う想力が違っている気もするのだけど、逆に言えばそれがなければただの木刀にしか見えない。


 アウラに「その木刀を選んだ理由」を聞いても、「ただ、なんとなく」で選んだだけらしい。

 数ある武器の中からこの一本をえらびぬくとは、おそるべし・・・アウラの嗅覚。

「狙って選んだのだとしたら怖いですし、わからずにたまたま選んでいたとしても、それはそれで怖いですね・・・」

 と、マテラの、アウラに対する警戒度が急上昇しているのだが、このことはアウラには伝えないほうがいいのかも知れない・・・。


 その後、クロヒメさんとシロヒメさんがそれぞれ一本ずつ武器を選んだところで、「そろそろ山龍が近づいてきた」ということで迎え撃ちに行くことになった。


 地図を確認すると、ここに向かっている山龍のうち、ちょうど三体が先行して来ているようなので、アウラ、クロヒメさん、シロヒメさんがそれぞれ討伐に向かうことになった。

 さっきは山龍三人で討伐した山龍を今度は一人で、しかもシロヒメさんとクロヒメさんは使い慣れない借り物の武器での討伐ということになるけれど、まあ、さっきの討伐の時も余裕はったみたいだったし、まあ大丈夫だろう。


「それじゃ、私は向こうの山龍を討伐して来るんだぞ☆」

「それでは〜、私はあちらの方を〜。 アウラさんはあっちの方をお願いします〜」

「わかりました。 それじゃあ、マテラちゃん。 行ってくるね。

 わたし、このクエストが終わったらマテラちゃんと一緒にいっぱい遊びたいから、頑張って討伐してくるよ!」


 若干一名死亡フラグを立てたので急に不安が増した気がするが、まあ大丈夫だろう。

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