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クエスト(1)

 「クエストを受注する」と言っても、序盤のうちは特に手続きが必要なわけではないらしい。

 サポートブックによると、クエストには『常設系』と『限定系』の二つの種類のクエストがあるとのことだ。


 『常設系』とは、例えば「薬草を300グラムにつき、1Gと交換します」や、「魔物の牙(討伐証明)10本につき、1Gを差し上げます」などのように、どちらかというと買取のシステムに近い。

 そしてこの『常設系』のクエストであれば、事前に手続きを行う必要が無く、採取した薬草やらを『ギルド』に持って行くだけで報酬を受け取ることができる。

 対して『限定系』では「特定の危険種(モンスター)の討伐」や「特定のレアアイテムの採集」などのように一回限りの受付だったり、受注するのに特定の資格が必要だったりする。

 こちらは『常設系』とは違って、事前の申請が必要になり、期限を守れない場合はペナルティがある場合もある。



 実際にクエストボードを眺めてみると、『素材採集』『モンスター討伐』『護衛』などの依頼が難易度ごとにいくつも貼り付けられていた。


「チシロさま、この中ですと・・・初心者には『スライム討伐』あたりのクエストが、オススメだそうです」


 マテラは人目につくのを避けるためにローブについていたフードの中に隠れてもらって、そこから顔を出さずにこっそりと耳打ちで話しかけてもらっている。

 もしかしたらマテラみたいな『小人』は、この世界では珍しくないのかもしれないけれど、念には念を込めて・・・だ。

 ちなみにマテラは今、フードの中にサポートブックを持ち込んで熟読し、この世界の基本的な知識を身につけている最中らしい。

 (そしておかげで、フードが微妙に重い・・・)


「なるほど、じゃあまずはとにかくスライムあたりから討伐してみることにしようか。

 あとは、同時に進められそうな収集系のクエストも・・・」

「そうですね。 私もそれでいいと思います。

 収集系ですと、薬草集めや鉱石集めなんかが良さそうですね」



 クエストボードの隣には「パーティー募集」や「ギルドメンバー募集」の掲示板もあったけど、マテラと相談して「そういうのは一人では無理になってから探す」ことにした。

 自分達はまだこの世界に転生して間もないので、ギルドの善し悪しの判定すらできないし、それに、ギルドに入る前に「自分達にできること」を確認しておこうという意図もあった。

 自分を売り込むためにはもまずは、自分の長所を知らないとね!


 ということで、一通りめぼしいクエストをメモだけしておいて、早速クエストに出発することにした。


「チシロさま! 初めてのクエストです。 楽しみですね!」

「ああ。 多少不安は残るけど、まあ頑張るしかないか!」

「チシロさまなら、スライムぐらいよゆーですよ! パパッとやっちゃいましょう!」


 なんだろう、今、すごく嫌なフラグが立った気がする・・・。

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