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小学生の時は中学生が大人に見える

 女の子は2人の元へ歩み寄る。


 ヒュウマは女の子の姿を改めて見る。

 顔立ちは端正で、長い黒髪を後ろに束ねた髪形からも大人びた印象を受ける。だが身長は150cmもない。

 身長だけ見ると小学生かもしれない。だがブレザーの学校制服を着ている。

 制服を着ているとしたら高校生かもしれない。だがここまで背の低い高校生は見たことない。

 ヒュウマは彼女を中学生だと結論付けた。


「なんでガキが操縦者を?」


 ヒュウマは星井ほしいに率直な疑問をぶつけた。

 プロロボットボクシングの歴史において中学生が操縦者をしていたことなど一度もない。

 いくらなんでもこんな子供がプロになるなんてロボットボクシングに対する侮辱だ。


 ところがその質問に答えたのは星井ではなく

「ガキじゃない。立派な中学生よ」


 2人の元へ辿り着いた女の子だった。


「やっぱりガキじゃないか」


「なんですって!失礼ね」

「私はこんなロボットを操縦しなきゃいけないの?」


 女の子は怒り心頭に発したようでヒュウマを指差し、星井に訴える。


「それはこっちのセリフだ」

「ガキが活躍できるほど甘い世界じゃないんだよ。プロロボットボクシングは」


 売り言葉に買い言葉。ヒュウマは頭にオイルが上っていた。


「ロボットのくせに何知ったような口利いてるの」


「俺はロボットボクシングファンだからわかるんだよ」


「ロボットがロボットボクシングのファンってどういうことよ!」


 口論を繰り返している2人に星井が


「ごめんね。このロボットは賢くなった分、悪口も覚えてしまったのよ」


 女の子を優しく見つめながら言い


「これ以上言い合いを続けるならあなたのデータ消すわよ」


 ヒュウマを優しく見つめながら言った。


 その言葉を受けてヒュウマは

「失礼、お嬢さん。あなたは立派な大人の女性だ。先程の無礼をお許しください」


 ベンチから立ちあがり右膝をついて女の子に謝った。


「バカにしてる気しかしないんだけど……」

「まぁ私は大人だからこの程度のことで怒らないわ」


 女の子はどう見ても作りものだとわかる笑みを浮かべた。


 星井は日馬ヒュウマも元は高校生だったことを思い出したのか

「どっちも子供ね」

 と呆れたように呟く。


「子供じゃないです!」

 子供2人の声が響いた。

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