5イタリアンレストラン店?
これで終わりですが後日談を書くかもしれません
少女の話によると、客が居なかったのは、面識はないが俺と同級生の彼女の兄がこちらを一方的にライバル視して
裏から手を回したせいらしい。
つまり料理が不味いわけじゃないんだ。
「兄がご迷惑をかけてしまって本当にすみませんでした!!」
深々と頭を下げる。
「…もういいですから」
彼女は実質的に悪くない。
「ひとつ聞いていいですか?」
「はい?」
「この前の綺麗なお姉さん、シェフの彼女…なんですか?」
まさか本当に勘違いされていたとは
「そうだと言ったらどう思いますか?」
何を馬鹿なことを聞いてるんだ俺は、自意識過剰すぎるだろ。
「寂しいです…ちょっとだけ」
「そうですか…」
うまい言葉が思い浮かばない。
「あたしが責任を持って稼げなかったお金を返します!」
少女はバサッっとイリュージョンの如く服を剥ぎ、ウェイトレス姿になった。
「いやそれはちょっと」
なんというか皿を割られそうですっごく困る。
「その必要はない我が妹よ!」
黒塗りの車から現れたのは当事者である。
「…すまなかった」
彼女の兄は俺の顔を見るや否や、すんなりと謝った。
「アニキ~」
――――妹まで現れた。
「お兄さん妹さんを僕にください」
なんだと…幻聴か?
あんなガサツ娘のどこに惚れたんだ?
「そんなことよりアタシラーメン」
「じゃあ私はお蕎麦を」
「じゃあ僕はカレーとナンを」
「ここはパスタ専門店だああああああああ!!」