4真相
次で最終回予定です
「アニキ~何してんの?」
妹は親父に似て、外面はいいが、ガサツでうるさい。
どこぞねチンピラのようなアニキより、兄さんと呼んでもらいたい。
「お前には関係ない」
冷たくいい放つと珍しく引き下がった。
「ふーん。じゃあアタシ出かけてくるね」
彼氏か?と聞くと顔を真っ赤にして
「はあ?いるわけないじゃん!オトコにキョーミないもん!」
と怒り出した。
そんなこと言ってる奴に限って彼氏が出来るんだ。
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「坊っちゃま」
「なんだジイヤ」
目の前にいるのは子供の頃から僕に使えている執事長だ。
「お嬢様の事なのですが…」
執事の言っているお嬢様というのは僕の妹の事だ。
「またあの店に行ったのか!?」
「いえ、お嬢様が見かけない男性とお話をしていました」
「あのコックか!?」
「いえオッサンです」
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気がつけば僕は自分の足で駆け出していた。
すると――――
「ちょっとアンタどこみてあるってんのさ!?」
見知らぬ少女とぶつかってしまった。
「…これをやるからおとなしくしてくれ」
とりあえず札束を渡せば一般庶民の小娘など黙ってくれるはず―――――
「金で解決?ぶつかっておいて謝罪の一言もないわけ!?あやまりなさいよ!この成金野郎!」
グサグサ言葉が刺さる。
これまで僕にそんな態度をとった人間はいただろうか?
なんだこれは心臓が激しく動いた。
まさかこれが―――――
「ちょっと聞いてんのー?」
「…お前「おいなにしてんだよ!!」
僕と結婚してくれ、といいかけた瞬間、彼女と僕の間に、ランドセルを背負った少年が割って入った。
「なんだクソガキ」
言葉を遮られるのはまったくもって不愉快だ。
「ちょっと…アンタ仮にもお坊っちゃまでしょ?クソとか…」
御曹司に王子様などというイメージをつけるな。
「姉ちゃんはおれが守る!」
守ると言われても害するつもりはないんだが。
「これはお前の弟か?」
指を差すのは失礼かと思い、目で差した。
「違うけどなんていうか小さいときからよく遊んであげてた近所のガキンチョ?」
「これでゲームでも買うがいい」
札束から一万を抜き、差し出した。
「いいの!?」
少年が歓びながら去って行く。
先程までの威勢はなんだったのか――――――
「それはそうと何であんなに急いでたの?」
「それは…」
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今日は定休日だから客がいないのだ。
今日もじゃないかって?
「…お久しぶりです!」
「ああ」
少女が3日振りに店を訪れた。
彼女がいない3日の間にすごい事が起きていた。
あれから客足が増えて店が大繁盛したのである。
「すみませんでした!」
「は?」
つい、素で聞き返してしまった。
この少女は何も悪くない。
「実は…」